おいぴい牛乳【宮侑】

おいぴい牛乳 ページ12

『なぁ、侑』


｢…｣




『…ごめんって』


｢別に…｣




北さんに怒られたことを根に持ってるらしい侑。確かに私が悪かったけれども…そんなに怒んなくたってええやんか。期限を直そうと何を言おうか考える…



侑の好きなもん与えればええんかな？






『おいぴい牛乳買ってやるから許してくれへん？』




それを聞くとピクっ、と体が少し揺れる。あ、効いてる効いてる。あともう一押しすればいけるんちゃう？






『分かった、あともう一つ好きなの買ってやるわ』



｢のった｣




『はやっ』






さっきまであんなにしょぼくれてた癖に!! 今じゃ機嫌直して頭に ♪ 付けてますけど？なにもしかして騙したん？






『うわ、性格悪いヤツや』



｢ふっ…それが俺やで｣







『お前、自分で言ってて悲しくならん？』


｢うるさいわ！！｣







｢ほら、自販機行くで！｣と教室の扉を開けた侑。マジ調子のいいやつ。まぁ、侑の機嫌が直ったのならなんでもええわ。





『ちゃんと遠慮せえよ？』



｢え？なに、聞こえんかった｣





乗りすぎはあかんな？






『お前ほんま、調子乗っとると耳割くぞ』




｢いや怖っ。女の子がそんなこと言ってええの？｣





『じゃあ女の子を騙して奢らせる男が居てええの？』



｢…なんも言えん｣









やはり侑は私に勝てない。

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