着信がありました ページ30
『もしもし』
夜更けに電話が掛かってきた、出てみると陽気な声が私の耳にキンキンと響いてくる。うるさいほどに
《お、A〜どうやった？》
『お陰様で何とか仲直りしました』
《おお、良かったな》
『ありがとう、侑君』
彼なりに心配してくれたのだろう、お礼を述べればへへっと照れくさそうな言葉を発した。そして彼はその恥ずかしさにいたたまれないのかほな！と言い残して電話を切った。
自分でかけてきたクセに…変なの
侑君の照れている表情を想像すると笑いが込み上げてくる、だって彼がそんな顔を私に向けるなんて想像出来ないもの。可笑しくてたまらない、そんな時だった。スマホのバイブ音がピロン、と鳴り出したのだ。先程のことでまた侑君がなにか送ってきたのだろう、そう思った。
スマホの画面を開くと息を飲むようなメッセージが目に留まる。
角名東京、大丈夫そう?
タイミングを見計らったかのようなメッセージ、なんかあの切れ長の目で遠くから監視されているように思えてきた。でも嫌な感じはしない、むしろ……
A大丈夫だよ
A急に連絡してくるなんて珍しいね
めっちゃを送ってから気づく、別に珍しくなかったかもしれない。それよりか角名君はいつも急に来る、久しく会ってないせいか彼からの連絡にニヤケが止まらない。
───ﾌﾞﾌﾞｯ
『わっ！』
突然のバイブ音に心臓が驚く。スマホ画面に表示されたのは着信画面、そして【角名】という名前。
今日だけで寿命何年縮んだかな…。
さっきとは違う心臓の音、ゆっくりと手を伸ばす。そしてやたら震える指先を見ながらボタンを押す
『も、もしもし』
《あ、風蝶さん？》
耳元で聞こえる彼の声。いつもとは違う、近さにドキドキする。
《…風蝶さん？どうしたの？》
画面越しに聞こえる彼の声は心配そうな声で私に話し掛けた。久しぶり過ぎて声が震える、緊張で息が荒いかもしれない。変に思われるかもしれない…。精一杯、平常心を装いながら会話をする
『大丈夫、ちょっと疲れただけ』
《ふぅん、》
『それより、どうしたの？』
いきなり電話かけてきたんだ、彼が用もなく掛けるはずない。だって彼は……そういう人だと、思うから。私の事を、面白がっていると思う。だってじゃなきゃこんな面倒な体質相手にするわけない
いつも意地悪するし、ヒヤヒヤさせるような事するし、強引だし、私よりもキス魔だし
あれ？
終わり
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ちゅこ(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。大変お待たせ致しました…全力で頑張らせて頂きます！！ (2021年9月30日 22時) (
レス) id: a23258a94d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年9月1日 23時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅこ | 作成日時：2020年12月13日 19時
