黒尾鉄朗 ページ23
後ろから聞こえるおちゃらけた声。思わず唇を噛む、それと同時に脈が異常に早くなるのを感じ心臓が破裂しそうな勢いでドクドクしているのが分かる。今、とてつもなく緊張している。
そっと、振り返るとヘラッと笑っている鉄朗がそこに立っていた。相変わらずの腹の立つ顔、一体どんな思いで私に話しかけてきたのだろうか。こんなにも腹立たしく思ったのは…いつぶりだろう。
『…涼んでるの』
｢風もないのに？｣
『そっちこそ、早く体育館入れば？』
｢冷たいねぇ〜｣
どっちが…。あの時の鉄朗の方が冷たかったよ。無神経な言葉にどんどん腹が立って言って、遂には抑えられなくなっていた。
『もう帰る』
そう言ってこの場から離れようとした時だった。腕を掴まれ転ばない程度の力で後ろに引き込まれる。少し後ずさりをすると彼が後ろから囁いた。
｢せっかくだし、試合みて行ったら？｣
そのまま離れて先に体育館の中に入っていった。なんて身勝手なやつ、言いたいことだけ言って後は私次第って奴ですか？まあこのまますげ帰るって言うのを気が引ける。お金と時間を掛けてここまで来たんだ、見せてもらおうではないか。
私も後に続き体育館の中に入ると、他の高校のマネージャーだろうか、黒いジャージを纏った綺麗なお姉さんにギャラリーを案内されそこで音駒の試合を見ることに。奴の粗探しとでもいこう。
と、思ったのが粗という粗が見つからない。そもそも私はバレーに関しては無知であるわけで何が良いとか悪いとか分からない、論外なのだ。上からコートを眺めていると研磨が私の方を向いて手招きをする。
…嫌な予感
素直にギャラリーから降りると猫の群れに飛び込んだ。試合が終わった直後なのか荒い息遣いが周りから聞こえてくる。そんな空気の中口を開いたのは私を呼んだ研磨だった。
｢A、今日泊まるでしょ？｣
『どこに？』
｢ここ｣
『は？』
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ちゅこ(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。大変お待たせ致しました…全力で頑張らせて頂きます！！ (2021年9月30日 22時) (
レス) id: a23258a94d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年9月1日 23時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅこ | 作成日時：2020年12月13日 19時
