解けない愛と毒10 ページ6
中に入った紅丸が見たのは、血塗れになった大切な唯一の家族の姿とニヤリと笑う男の姿だった
絶望から体が動かず、その場に倒れ込む紅丸に男がゆっくりと舌舐めずりをしながら近付く
「こいつらの子供か?」
紅丸「あ…あ…」
「言わねぇのかよ。まあ、お前の命も奪えばいいだけ…あ?」
男が刀を振りかざした瞬間、心臓に氷が突き刺さっていた
固まる男が顔を上げると、Aが睨みつけながら此方を見ているのに気付く
「何だ…これっ…ゲホッ」
心臓を突かれた男は口から大量の血を流し、その場に跪くが、それだけでは無く、短刀を持ったAによって首に鋭い痛みが走った
「ガハッ…」
『屑、永遠に眠っていろ。』
一言、残酷な言葉を吐くと、Aは血のついた短刀を仕舞い、倒れ込む紅丸を支える
紅丸「う…あ…どうして…」
『紅くんのご両親か…何て、酷いことを…』
あまりの酷さにAの目にも紅丸と同じ様に涙が浮かび、頰に流れる
抱きしめ合う二人の眼に映る変わり果てた夫婦の手は何方とも三人で寝ていた布団が握られている
『最後まで……』
紅丸「…許さない、全て…許さない…」
『ん?紅くん、どうしたの…?』
紅丸「A、家に帰って。お願い…如何しても今は一人が良いんだ…」
か細い声で告げる紅丸にAは目を見開くが、今の紅丸には悲しみが大き過ぎるに違いないと感じ、素直に頷く
家を静かに出ると、先程の男を土に沈めるとその場を去るAだった
『あんな酷いことが本当に起きるんだ…』
一人となった紅丸は、自分が父親から教わり、作った毒を鉤爪に沢山塗りつけ、側の家へと向かい出す
紅丸「酷い人間は、俺の毒で消えてしまえ。」
その言葉を放って直ぐに、集落には悲鳴が生まれていったのだった
その後、Aは何時もの待ち合わせ場所で毎日待っているが紅丸は来ない
無理はないと理解しているが、如何しても様子が気になり、不安で仕方ないのだ
『紅くん…お願い…来てよ。』
静かな願いは風と共に消え、会えない時間が進んでいくのだった
しかし、紅丸を待ち続けた気持ちが叶ったのか、事件から半年経った際に何時もの場所に紅丸は現れたのだ
紅丸「ごめんね、待たせたかな?」
『紅くん!もう…大丈夫なの⁈』
心配するAに紅丸は、優しい笑みを浮かべて首を縦に振り、強くAの手を取った
紅丸「俺の家に行こう。」
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B.A.D.寄りの6年ろ組推し - めっちゃ面白いです!続き出してほしいです!どうかお願いします🙇♀️更新よろしくお願いしますー!! (2021年11月15日 23時) (レス) @page35 id: 544b7ce66d (このIDを非表示/違反報告)
airi01012005(プロフ) - 唯さん» リクエストありがとうございます!了解しました! (2020年4月23日 2時) (レス) id: d9e2a8c011 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - airi01012005さん» 今晩わ、リクエストです!生物委員会全員に幻術を掛け(下級生は弱め竹谷と夢主は超強め)助けに来た5年生と6年生に襲い掛かるお話をお願いします。別件で「忍術学園5年生には木下鉄丸の娘がいます」を書いてますのでもしよければ読んでください。 (2020年4月22日 22時) (レス) id: 238aca14d7 (このIDを非表示/違反報告)
airi01012005(プロフ) - 唯さん» リクエストありがとうございます!了解しました! (2020年4月7日 12時) (レス) id: d9e2a8c011 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - (続き)起きるにはその妖怪を探しだして倒してからという感じでお願いします。 (2020年4月7日 12時) (レス) id: 238aca14d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:airi0101 | 作成日時:2019年11月9日 23時