彼女と僕だけのアクト:kwmr ページ6
'
ただいま、と玄関をくぐる彼女が纏う雰囲気は朝のものとは違っていて、服装が同じでも全く別人のように見えることがしばしばある。
一つに束ねた髪にパンツスーツ、コツコツと鳴るヒール。
普段はまさしく世の中が想像するキャリアウーマンそのもので、最初に目を奪われた彼女の姿もそれだった。
「おかえりAさん」
「何かいい匂いするね」
「ブリ大根作ったよ」
「わぁ、好きなやつ!」
「今日は忙しいって言ってたから、少しでも何か出来ないかと思って、」
「なんだ、そんなの気にしなくて良いのに」
でも楽しみ、とあどけなく笑う姿を、きっと彼女の同僚たちは想像出来ないだろう。
彼女の帰る場所がここである限り、それは僕だけの特権だ。
部屋着に着替えた彼女がリビングに戻って来る。
白くふわふわしたそれは彼女のお気に入りで、寒くなってくるといの一番に引っ張り出して着用していた。
これも世にいうギャップというやつだろうが、見慣れてしまうとただただ可愛らしい。
「ブリ、大きいやつあげる」
「それAさん用だけど」
「男の子はいっぱい食べなきゃ」
「中高生みたいな食欲はもう無いよ」
「いいからいいから、もりもり食べてるところ見てると嬉しいの」
「ちょっと、母親みたいなこと言わないでよ」
.
200人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キタ(プロフ) - あんころさん» ありがとうございます!キャラが定まってない感じもありますが大丈夫でしたでしょうか…?どうしても不定期になってしまいますが、更新の予定はありますのでまたよろしくお願いします(*^^*) (2020年4月6日 1時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんころ - kwmrさんだいすき人間なのですが、どれも好みどストライクでもう…!!!キタさんのペースで頑張ってください!応援しています!! (2020年4月2日 2時) (レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - ぽさん» お返事遅くなってしまってすみません!一作目からありがとうございます。更新も不定期ですが、なんとかご期待に応えられるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2019年12月9日 21時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ(プロフ) - キタさんお久しぶりです><「平凡、即ち人生」がドストライクすぎました、、!!キタさんの書く文章が大好きです:-)これからも応援しています。 (2019年12月5日 20時) (レス) id: 7700f16782 (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - ちるさん» コメントありがとうございます。沢山のお褒めの言葉をいただけてとても嬉しいです。マイペースにはなりますが、色々と更新していきたいと思います。今後もよろしくお願いします! (2019年10月31日 23時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:キタ | 作成日時:2019年10月29日 14時