踊るピエロ:kwkm ページ33
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師走の居酒屋はどこも賑わいをみせ、普段より団体客の出入りが多いようだった。
この店も個室以外の席は既に埋まっている。
「ごめん、待たせちゃったね」
「いや、そんな待ってないから平気」
マフラーとコートに包まれた彼女が暖簾から顔を出す。
整えられていたであろう髪の毛は少し崩れ始めていた。
「早めに終われたのに課長につかまっちゃって…」
「仕事の話もあるんやろ、しゃあないやん」
「でも今日は遠慮してほしかったよー」
タイミング悪いよね、なんて笑う彼女が連絡を寄越した理由なんてだいたい見当はついているけれど、それは悟られないように黙ってやり過ごす。
先に頼んでいたビールは幾分気が抜け始めていた。
「なに飲むん?」
「えぇと、レモンサワーで」
「飯は?」
「なんか適当に、拓朗が選んで頼んじゃって」
「ん、了解」
店員を呼び止め一通り注文したあたりで、彼女はふぅ、と小さくため息を吐いた。
「…伊沢さんとなんかあったん?」
「んー、まぁねぇ、」
「また女?」
「だいたいそんなとこ」
「何回目なんそれ」
「億劫で途中から数えるのやめちゃった」
懲りないよね、と自嘲気味に言ったセリフは、いったい誰に向けてのものなのか俺には分からなかった。
「今度はなに?」
「昔の女と会ってたらしいよ、私も詳しくは聞いてないんだけど」
「聞かんでよかったん?」
「聞いたところで楽しくないじゃん、そんな話」
「まぁそうやけど…」
「束縛みたいになっちゃうのは私も向こうも嫌だからさ、あんまりハメ外さないでねとは言ったけど、」
グラスで立ち上る泡の向こう、彼女がぽつぽつと話し出す。
この疲れ果てた姿をもう何度見たかわからない。
そうなるのは決まって彼、伊沢さんの女関係に問題があったときばかりだ。
そして俺が彼女とこうして過ごすのも、大方お決まりの流れだった。
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キタ(プロフ) - あんころさん» ありがとうございます!キャラが定まってない感じもありますが大丈夫でしたでしょうか…?どうしても不定期になってしまいますが、更新の予定はありますのでまたよろしくお願いします(*^^*) (2020年4月6日 1時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんころ - kwmrさんだいすき人間なのですが、どれも好みどストライクでもう…!!!キタさんのペースで頑張ってください!応援しています!! (2020年4月2日 2時) (レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - ぽさん» お返事遅くなってしまってすみません!一作目からありがとうございます。更新も不定期ですが、なんとかご期待に応えられるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2019年12月9日 21時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ(プロフ) - キタさんお久しぶりです><「平凡、即ち人生」がドストライクすぎました、、!!キタさんの書く文章が大好きです:-)これからも応援しています。 (2019年12月5日 20時) (レス) id: 7700f16782 (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - ちるさん» コメントありがとうございます。沢山のお褒めの言葉をいただけてとても嬉しいです。マイペースにはなりますが、色々と更新していきたいと思います。今後もよろしくお願いします! (2019年10月31日 23時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キタ | 作成日時:2019年10月29日 14時