↑目が眩んだ2 ページ14
家に帰ると、彼女はうずくまっていた。
夜なのに電気も何もつけないで、ただ丸くなっていた。
電気をつけると、散乱した部屋が目に入る。
衣服はぐちゃぐちゃに箪笥の外に出されている。
テーブルの上にあった写真立てもヒビが入り、割れていた。
何もかもがしっちゃかめっちゃかになった部屋。
彼女を揺り起こす。
彼女はぐったりとしていた。
目の周りには涙の跡。
寝巻きのままの姿で、泣き腫らした目は腫れがまだ消えてない。
「どうしたの！？」
ただ事ではない。
いつも弱みを見せない彼女が、こんなにも荒れているのを見るのは初めてだ。
『福良さん…？』
「…え？」
真っ直ぐ俺を見る目は、焦点が合っていない。
どこか変だ。何かが変だ。
俺がいない2日間に何があった？
思考が必死に渦巻く。
何度も着信があった。
俺はその時会議中で、マナーモードにした。
その後も何度も何度も電話を鳴らしているようだった。
夜中に何回かかけた電話はどれも繋がらなかった。
怒ってしまったか、と反省しながらご機嫌でも取ろうとケーキを買ってきた。
電話が繋がらなかっただけでここまで、取り乱す…？
彼女がパッと下を向いた途端、
『あああああああ！』
ドン、っと突き飛ばされた。
叫び声は何かに怯えているようだった。
『いやだ、いやだ！いやあああ！？』
まるで子供返りしてしまったように、バンバンと地面に手を叩きつける。
彼女の体を押さえると、
『たすけて、助けて福良さん！』
ともがいている。
俺が誰だかわかってない？
『どこ？いるんでしょ？さっき声がしたもの！ねぇ、ねぇってば！』
体が震えている。
俺は悔やんだ。
君の精一杯の「助けて」のサインを俺は見逃した。
『助けて！誰かに捕まってるの！ねぇ！福良さん！』
「俺はここにいるよ。」
『嘘！嘘、嘘！騙されない！』
ともがく君を撫でて落ち着けさせる事しか僕には出来なかった。
君の目は心因性ストレス障害とやらで見えなくなっていた。
どれだけ不安だったか、その恐怖に僕はついていてやれなかった。
君は、会社でいじめに遭っていた。
職場が違うだけに君がいじめられている事に気付けなかった。
君も言わなかった。
家では笑っていた。
それが募っての事だろう、と医者が言っていた。
戻るのか質問した時、医者は曖昧に頷くだけだった。
唇を噛み締める。
不甲斐なさに後悔がまた募った。
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絹田きぬた(プロフ) - いろさん» よろしく…！私もきぬちゃん呼びは初めて！w (2020年8月17日 14時) (
レス) id: 6912973321 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 絹田きぬたさん» いーちゃん！！？初めて呼ばれます！！めちゃめちゃ嬉しいです…！！大歓迎です！！よろしくね…！！ (2020年8月17日 14時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
絹田きぬた(プロフ) - いろさん» いえいえ！え！？わざわざ買ってくださったんですか！？それは…本当にありがとうございます！私、とても好きなお話なので嬉しいです！タメ！いいですね！私もいーちゃんとか呼んでもいいですか？ (2020年8月17日 14時) (レス) id: 6912973321 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 前の作品にごめんなさい！これだけ伝えたいことがありまして！！きぬたさんの夢十夜を理解するためだけに本を買いました()まだ読めてないのですが… あ、あと、もしきぬたさんが良ければ、タメとかどうでしょうか…(きぬちゃんと呼びたい欲を抑えきれず…) (2020年8月17日 13時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
絹田きぬた(プロフ) - 葉月さん» そうですね、やっぱり締めはCEO！ありがとうございます…不安定な状態が続いてるので、ゆっくり頑張っていきますね！新作もよろしくお願いします！ (2020年6月20日 16時) (レス) id: 6912973321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絹田きぬた | 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月15日 20時
