今日も君は可愛い

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『おい待てや！！！おい！！！』


海「うわぁぁぁぁぁぁぁ！！来ないでください！！！追ってこないでほしいのですよ！！」


『なぜ！？！』



んなこと言っても相手は子供。捕まえるのにそう時間はかからなかった。子供の走る後ろ姿ってなんか、背中が小さくて可愛いな。


ジタバタと暴れるシーランドを逃さないように手に力を込める。
小さな身体に目線を合わせると、丸めの可愛い輪郭にノックアウトされそうに、ではなく。




『どうして逃げたの』



海「う……シー君は子供じゃないので無駄口は叩きませんッ」



フンッとでも言うかのように顔をそらす。
子供だろ。どっからどう見てもただの可愛い子供だろ。



『よく見たら口周り汚れてるし、子供らしくないところを探す方が難しいよ。お菓子でも食べてきたのか？ちょっと拭くよ』



海「あ、確かに食べたんですよ。フランスの野郎から貰っ……
あ」


『あ？』



あ？何？



海「あ………やっぱなんでもないですよっ
それじゃあ僕はここで…」


『あ？いや待てよ』



襟を掴んだ。離せとまたジタバタジタバタ。挙動不審すぎるだろ。


フランスがお菓子？普通だよな。あでもシーランドにあげるか？てか接点あんのか？


うーん………考えたって分からねえや。




『よし、それじゃ私の家行こうか』


海「嫌ですよ！離してください！！！シー君忙しいんですよ！！」


『家でホットケーキ焼いたげるから。途中でケーキ屋に寄ってもいいし』


海「すぐ行くんですよ！」



チョッッッッロ。お菓子でつられるとかやっぱ子供じゃん、単純なのね、うん可愛いね。





海「ケーキっケーキっ早く行くんですよっ」


『わーったよ可愛いな』




えーとケーキ屋はどこだっけ……


ああそうだ、と思い出したところ、何やら手に違和感。


視線をやれば、シーランドがぎゅっと握っていた。は。



『………あの……手……何…』


海「手ですか？レディーはシー君に掴まるんですよ。僕がエスコートします」


『くっっっ!!!!』



まって無理きっと私このまま子供の健気さにやられて消滅するかも、やばいじゃん国滅亡じゃん。ああああああ笑顔可愛いし手が小さいしあったかいしなんかふわふわ？もちもち？手握るの可愛すぎるんだけどエスコートって何大人っぽさ意識してるの背伸びしてるの可愛いね。




海「どこに進めばいいですか？」


『右』


海「右に行くのですよ！」



久々の癒やしで逆に苦しんだ。

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