今日も君は可愛い

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順調だ。


周りの奴らに逃げられて、こいつは自分から逃げているのだと疑いもしない。


肩を落とす姿を何度も見るのは少し痛々しいけど


だから俺は何度も慰めてやる。もう何回目かわからない。




『君は君で、暇さえあれば来てくれるの優しいね。うん、好き』



そんな簡単に言うなよ。


聞くたびに顔が熱くなる。

焦って饒舌なる。




お前はなんで抵抗がないんだよ。




お前から見て俺は、と、友達、なのか？


………男として見られてないのか。



　


でも俺はお前を友達……とは思ってない。



だから例え挨拶のハグだとしても、そうじゃなくても、そんな簡単に抱きしめられない。


はは恥ずかしいからじゃねえし！！俺は紳士だからな！！





英「なんだよ………そんな落ち込むことないだろ」




いつものやりとりなのに、思ったより落ち込まれて少し焦る。




『んー………最近癒しが不足気味なんだ』


英「お得意の撮影はどうした。あいつらの写真あるんだろ？それで癒されないのか」



『そうだけどさあ…あのさあ……』




何かに悩んでるのか。前だったら写真見るだけで馬鹿みたいに幸せそうだったのに。




『なんでみんな逃げるんだろうか』



英「………………………」




ああ、こいつは、悲しんでるのか。


避けられて不思議に思ってるのか。


いい加減気づくよなそりゃ。





『でも私がさ、落ち込んで悲しんで弱ってる女々しい奴には見えないよな』



英「………………………ん？」



『なんか腹立つな。せめて一言くらい言ったらどうなんだ。話す気もないのか。私はわからないままなのに』


英「ぉ、おい」




悲しみが怒りに変わるとは思わなかったが、まあいい。


周りに対して今はもうよく思ってないみたいだ。


思うように事が進んでいる。この調子だ。





『みんな可愛いよ、みんな好きだよ。見てるだけでも楽しいのに喋ってくれてすげー嬉しいよ。神かなって思うこともある』




………まだ、そうなのか。


あいつらが好きなのか。



気に食わない。





『君はいつも一緒にいてくれるね。仕事にまで付いてくるのはマジかって思ったけど、結構嬉しいよ。割と癒やしてくれて最高だし』




そう言って最近はあまり見せなかった笑顔を俺に向けた。




英「そんな落ち込むな。もしお前が嫌われてても、俺は嫌わないでやるから」






俺には心を許してるようで、なんだか嬉しかった。



お前はそうやって、俺だけを見ればいいんだ。

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