今日も君は可愛い

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結局ハグしてくれないのか。ちぇ。



英「なんだよ………そんな落ち込むことないだろ」


『んー………最近癒しが不足気味なんだ』


英「お得意の撮影はどうした。あいつらの写真あるんだろ？それで癒されないのか」


『そうだけどさあ…あのさあ……』



深い溜息が思わず出てしまう。

溜息ついてたら幸せは来そうにないな。でも今は元気もない。



『なんでみんな逃げるんだろうか。アメリカはアイス買いにどっか行くし、ドイツには不機嫌なのか誤解される、中国もパンダに夢中だしさ、ロシアはベラルーシに怯えて話すらできないよ。
なにこれ？地獄？』



悲しい。悲しいな。



英「………………………」




同情しているのだろうか。かけ声ひとつもないこの空間は酷く静かで寂しさを感じる。



悲しい、悲しいさ。






『でも私がさ、落ち込んで悲しんで弱ってる女々しい奴には見えないよな』



英「………………………ん？」





逃げる、避ける背中だけが鮮明に思い浮かぶ。




『なんか腹立つな。せめて一言くらい言ったらどうなんだ。話す気もないのか。私はわからないままなのに』


英「ぉ、おい」


『次会う奴が逃げたら捕まえてやるんだ。人の顔見て逃げてくとか何がしたいんだ。会いたくないならそう言ってくれればいいのに』


英「なあ落ち着けよ」


『落ち着けるか』



肩に手を置かれ、そう諭されるが、まるで耳に入らない。




『みんな可愛いよ、みんな好きだよ。見てるだけでも楽しいのに喋ってくれてすげー嬉しいよ。神かなって思うこともある。

だから変だろ。普通に接してたのに避けるか？みんなだよ？みんなが避けるんだよ？
あいつらだからほっとけない。絶対何か聞き出す』



この年になって苛々してるかもしれない。子供かよ。そう思うと、いつもストレス解消してくれてたみんなには感謝しなきゃいけないのかも。




英「…………………………」



『君はいつも一緒にいてくれるね。仕事にまで付いてくるのはマジかって思ったけど、結構嬉しいよ。割と癒やしてくれて最高だし』




すると、無言のまま手をスッと伸ばしてきた。


………………ん！？



撫でられてる！？頭！？？手デカいな！！！命日なのか！私！違いねえ！は！？




英「そんな落ち込むな。もしお前が嫌われてても、俺は嫌わないでやるから」





死にそうだ。こいつ、殺人鬼だ。



ありがとうとだけ言い顔を見ると、どこか喜んでいるような顔だった。

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