烏野控えリベロの顔が良い

＊先輩の背中 ページ8

新しいマネージャー候補の谷地さんが仮入部することになって、清水先輩も嬉しそう






「見つかって良かったですね」


「うん、まだ仮だけどね。和倉も探してくれてありがとね」


「あ！ノヤっさん！和倉が潔子さんとお話してるぞ！！」


「ずるいぞA！！でも顔が良いから許す！」


「ノヤっさぁぁぁん！？」







煩い夕先輩と田中さんを見て、谷地さんが「烏合…」と呟いた






「はは、 ''烏'' だもんな」


「でも試合になると結構息が合うんだよ？」


「うっ美 死…」







清水先輩の笑顔に谷地さんがやられてしまった

うんうん。わかるよ。バレー部に入る人はみんな一度はやられるからね。







さてと、俺もユニフォームに着替えてこよう







「(清水先輩と和倉君の顔面偏差値が高過ぎる……ファンに暗殺されそう……)」








◇







背番号１３
夕先輩と同じ、オレンジのユニフォームを着る

これから扇西高校との練習試合が始まる







「スターティングはいつもと変わらねぇが、和倉、２セット目から出てみろ」


「えっ！？」







烏養さんの言葉に嬉しい気持ちと困惑した気持ちが混ざる

試合に出られるのは勿論嬉しい

・・・けど






「まさかお前、俺に申し訳ないとか思ってんのか？」






ギクッ

ドスのきいた声にゆっくりと振り返ると、夕先輩が仁王立ちしていらっしゃる…

これはお説教タイムだ…







「烏野の正リベロは夕先輩だから・・・」

「だから？」







夕先輩が３年になって引退したら、必然的に繰り上げで俺が試合に出ることになるだろう

でも今は夕先輩がいる

なのに俺が出てもいいのだろうか

そんな考えが頭を過ぎる







「もしお前が俺が先輩だからって遠慮してんなら、その考えは捨てろ！

俺は正々堂々とレギュラー争いする奴が好きだ！

だからお前も、俺から正リベロの座奪うくらいの気持ちでかかって来い！！」








ーーーああ、やっぱりカッコいいな

うじうじ考えてた俺がアホらしいや







「・・・はい！！夕先輩よりも沢山レシーブ決めてみせます！！」


「おう！望むところだ！」


「かっけぇなぁおい！リベロは男前しかなれないポジションなのか！」








この人を超えると決めたからには、遠慮も弱気も要らねえよな








「背中(後ろ)は俺が預かります！」

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