軟高のお嬢様。【今日から俺は！！】

そのいち ページ2

「じゃあ行ってきます！」






黒のローファーを履きながらわざわざ玄関まで見送りに来てくれた両親に挨拶をする





「一人で大丈夫？やっぱり、車で行かない？」





その方が安全だし…とお母さんは付け加えた





「いつも言ってるけど大丈夫！ただ高校に行くだけなんだから」


「でもなあ…父さん、まだ反対だぞ。お前が普通の共学に通うなんてこと…」





幼稚園からずっと私立(わたくしりつ)の、所謂お金持ち御用達の学校に通ってきた

大学は…きっと行かないだろう。
高校卒業後は適当な許嫁でも紹介されるに違いない

そう思った私は、進学が決まっていたエスカレーター式の高校を蹴り、徒歩圏内で通える共学の高校の
入学試験を受けたのだ。







普通の高校生活を送りたい

ただそれだけ。





放課後は喫茶店でお茶を飲んで、友達の家に遊びに行くのもいいし、買い物して遅くなってお母様に叱られてみたり

私が望む生活が送れるのは ここしかない！と思ったんだ








「あ、いけない！もうこんな時間！行ってきます！」







ーー……青春、といえば恋もしてみたい

一緒に帰ったり、手を繋いだり、それから…





なんて妄想してにやけた顔をバシンと叩いて通学路を歩いた

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