逃げた先で ページ10
***
しばらく走っていくと、アルとスカーに追いついた。
ここは汽車の工場だろうか?
貨車や荷物などが保管されている、人気のないところだ。
すでに2人の攻防戦により、地形や建造物は姿を変えているものもある。
スカー「哀れな!そのような体になってなお、錬金術を信じるのか!?」
アルとスカーが見えた時、2人は戦闘しながらも何やら話しているようだった。
アル「たしかに、この身体だと不自由な事もある。だけど、不自由である事と不幸である事はイコールじゃない。
兄さんが錬金術でこの世に繋ぎ止めてくれた命だ。
今のボクを否定する事は兄さんを…、錬金術を否定する事になる。
ボクは、錬金術の可能性を信じたい!」
スカー「…そうか…」
スカーは、貯水タンクの穴から落ちてくる水に触れると、一気に煙を充満させ、視界を奪った。
アル「しまっ…」
『スカー!!』
私はわざと大きな声を上げると、近くに落ちていた鉄パイプを錬金術を使い、先を槍のように錬成し、スカー目掛けて投げつける。
スカー「!」
こちらに気がついたスカーは、もちろん自分に飛んでくる槍に気が付き、アルから退いた。
私は急いでアルのもとへ駆け寄る。
『アル、大丈夫?』
アル「う、うん。ウィンリィと兄さんは?」
私の登場に呆気に取られながら、アルは2人を心配しているようだ。
『エドがちゃんとウィンリィの事見てくれてるから、大丈夫だよ』
アル「そっか、よかった…。でもAも無茶しちゃダメだよ」
『私は大丈夫だよ…』
ふと、置いてきた2人のことを思い出す。
置いてきたのは、私なのに
逃げたのは私なのに
きゅうっと、胸が締め付けられて、痛い。
アル「本当に大丈夫?」
『あはは…大丈夫大丈夫…!それより。』
今は、目の前の敵に集中しなければと、スカーと向き合うと
アルも身構え、スカーの動きに集中するのだった。
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あ - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (12月21日 2時) (レス) id: 320108a8ff (このIDを非表示/違反報告)
めりあ(プロフ) - 更新楽しみにしてます (9月25日 22時) (レス) @page28 id: 4dacbef9b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - なのはさん、miriさん、コメントありがとうございました。ほかの小説を書いていましたが、長らく留守にしていながらもお待ち頂いている気持ちに答えなきゃダメだと思い、やっと更新しました。また更新していこうとおもいますので、よろしくお願いします。 (8月6日 14時) (レス) id: 36d3a8f59a (このIDを非表示/違反報告)
miri - 初コメント失礼します!エドと夢主の関係性がハガレンの物語に凄く良い感じに溶け込んでいてめちゃめちゃ大好きな小説なので続きが気になりすぎて思わずコメントしてしまいました また更新楽しみにしています⭐︎夜宵さんのペースで頑張ってください! (5月21日 22時) (レス) @page41 id: ad2029d38e (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (2023年4月9日 2時) (レス) id: bac325c829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年7月12日 15時