戦場の少女 ページ7
***
しばらく、街の破壊と轟音が響く中、市民の安全のため暗躍していた私。
必要ならば、野次馬が来ないよう壁を作り、市民の誘導をしていた。
けれど、戦闘が長引くにつれて、私1人では収束がつかなくなってきた。
野次馬「大丈夫かな、あのちびっこ」
野次馬「憲兵は何やってんだ!?」
でもまぁ、なんとなくヤバそうなのが伝わるのか、無闇に近寄る人は少なくなったかな。
女性の声「ごめんなさい、通してっ!」
野次馬「お、おい!この先は危ないよ、君!」
『!』
しまった、よそ見をしているうちに、1人現場に走って行ってしまったようだ。
『ん、あれって…』
金髪のポニーテールの彼女に、私は心当たりがあった。
確かにあの子は、エドの幼なじみのウィンリィだ。
『ウィンリィ!待って、その先は…!』
危ないと叫ぼうにも、闇雲に走っているからか、彼女の耳には届かない様子だった。
そのままでは本当に危ないので、いそいで追いかける。
やっと追いつきそうになった時、ウィンリィの先にはスカーが居るのが分かった。
そして…
エド「アメストリス人の、ロックベルという医者夫婦に覚えはないか」
エドの声が聞こえたからか、ウィンリィはその路地で立ち止まった。
『ウィンリィ…?』
そこでやっと追いついた私は、ウィンリィに声をかける。
アル「…!兄さん、待って」
エド「内乱のイシュヴァールに赴いて、殲滅戦の命令が出たあとも、イシュヴァール人を助け続けた…」
アル「ダメだ、兄さん!!」
ウィンリィに聞かせてはならない話なのか、ウィンリィに気づいたアルは、必死に止めようとする。
しかし、エドは止まらなかった。
エド「スカー!てめぇを助けて、てめぇが殺した医者の夫婦に覚えは無いか!!」
アル「兄さん!!」
ウィンリィ「なんの…はなし…?」
ウィンリィはふらふらと、その路地から出てしまった。
ウィンリィ「この人が…父さんと母さんを…殺した…?」
そうだ、ウィンリィの性は、ロックベル。
エドの言うことが本当ならば、スカーはウィンリィの親の仇ということになる。
ウィンリィ「父さんと母さんが何をしたって言うのよ…!
返してよ…
父さんと母さんを返してよ!!!」
『ウィンリィ…待って、それは…』
ウィンリィが手を伸ばした先には、憲兵が落としたであろう拳銃…
ウィンリィはその拳銃を、握りしめていた
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あ - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (12月21日 2時) (レス) id: 320108a8ff (このIDを非表示/違反報告)
めりあ(プロフ) - 更新楽しみにしてます (9月25日 22時) (レス) @page28 id: 4dacbef9b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - なのはさん、miriさん、コメントありがとうございました。ほかの小説を書いていましたが、長らく留守にしていながらもお待ち頂いている気持ちに答えなきゃダメだと思い、やっと更新しました。また更新していこうとおもいますので、よろしくお願いします。 (8月6日 14時) (レス) id: 36d3a8f59a (このIDを非表示/違反報告)
miri - 初コメント失礼します!エドと夢主の関係性がハガレンの物語に凄く良い感じに溶け込んでいてめちゃめちゃ大好きな小説なので続きが気になりすぎて思わずコメントしてしまいました また更新楽しみにしています⭐︎夜宵さんのペースで頑張ってください! (5月21日 22時) (レス) @page41 id: ad2029d38e (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (2023年4月9日 2時) (レス) id: bac325c829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年7月12日 15時