イタソウ ページ41
***
『……エド!』
エンヴィーがその大きな口を開けると、口の中から落ちるようにエドが出てきた。
私はエドの元へ駆け寄る。
エド「……Aか…無事だったんだな」
良かった、と呟き、エドは私を抱きしめた。
『……なんでエドまで、ここにいるの?』
彼の温もりを感じながら、不思議に思った事を聞いてみる。
私はリンと一緒に飲まれた。
エドはアルに羽交い締めにされているのを見たから、あの時一緒には飲まれていないはずだ。
エド「そりゃお前が心配だったからに決まってんだろ…」
わしわしと、オートメイルの右手で私の頭を無造作に撫でてくる。
『まさか自分から飲まれた、の?』
エド「まぁな」
『で、でも、どうやって出るかもわからないのに……』
エド「入口があるなら出口は作るまで!
それに、アルが今、ホムンクルスのお父様っつー親玉の所に向かってる」
だから大丈夫だと、エドは笑いかけてくる。
さっきまでひとりでこの暗闇の中をさ迷っていた不安も吹き飛び
『そっか…ありがと……』
気の抜けたように答えた。
エド「……ほんと、良かった…お前が無事で」
抱きしめていた腕から解放されると、彼は私の頬を優しく撫でた。
『……っ』
冷たいオートメイルの感触に、最初こそびくりとしてしまったが、自分の体温で温まれば気になるものではなかった。
エド「……」
『……?』
途端に黙ってしまうエド。
どこか身体が痛むのだろうか?
そういえば、左腕をなかなか動かそうとはしない。
『エド大丈夫?どこか怪我でも』
エド「あいでででッッ!!!」
私が彼の左腕に触れると同時に、エドが痛そうに叫んだ。
エンヴィー「うわーイタソウ」
リン「折れてるナ」
『えぇっ!?』
エド「〜〜〜ッッ」
『ごっ、ごめん!まさか折れてるなんて…!』
悶絶する彼に、私はただただ謝るしかなかった。
***
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あ - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (12月21日 2時) (レス) id: 320108a8ff (このIDを非表示/違反報告)
めりあ(プロフ) - 更新楽しみにしてます (9月25日 22時) (レス) @page28 id: 4dacbef9b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - なのはさん、miriさん、コメントありがとうございました。ほかの小説を書いていましたが、長らく留守にしていながらもお待ち頂いている気持ちに答えなきゃダメだと思い、やっと更新しました。また更新していこうとおもいますので、よろしくお願いします。 (8月6日 14時) (レス) id: 36d3a8f59a (このIDを非表示/違反報告)
miri - 初コメント失礼します!エドと夢主の関係性がハガレンの物語に凄く良い感じに溶け込んでいてめちゃめちゃ大好きな小説なので続きが気になりすぎて思わずコメントしてしまいました また更新楽しみにしています⭐︎夜宵さんのペースで頑張ってください! (5月21日 22時) (レス) @page41 id: ad2029d38e (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (2023年4月9日 2時) (レス) id: bac325c829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年7月12日 15時