5回目 ページ34
***
目の前で変化を終えたエンヴィーと、ふと目が合った。
エンヴィー「あれ、あんたは確か…」
エド「どぁぁれぇぇがあぁぁ……!!」
隣にいたはずの彼が、いつの間にかエンヴィーに詰め寄っている。
それももの凄い殺気を放って。
エド「ミジンコゾウリムシドチビかあぁーー!!」
エンヴィー「おわっ!!?」
容赦なく右足を繰り出すも、エンヴィーは屈んで回避する。
エドの右足は、エンヴィーの後ろの木に鈍い音を立てて止まった。
エンヴィー「ちょっと待ちなよ!おチビさんとやり合う気は……」
エド「5回目ェ!!」
チリッ……
エドのアッパーが、エンヴィーの鼻先を掠める。
エンヴィー「な、何の話だよ!?」
エド「さっきと今で2回!!そして、第5研究所の地下でオレの事を3回、チビ(小声)って言った!!
忘れたとは言わせねえぞ!!」
エンヴィー「……すンごい記憶力…」
なんかやけに怒っているなとは思っていたけれど
そんなことで怒っていたとは。
まぁ彼にとっては大問題なのでしょうけれど。
エド「ここで会ったが百年目だぜェェェエンヴィー!!」
リン「化物…」
ぐへへへぇと化物のような形相の彼は手を合わせると、近くの木に手をつく。
すると丸太のようなものが空からエンヴィー目掛けて飛んで行った。
アル「挑発しちゃダメだよ、兄さん!」
当たったかの様に思えたが、エンヴィーは木々を飛び移り、グラトニーの元へ着地する。
エンヴィー「血の気多いなあ、も〜」
見た目とは相反して、エンヴィーの着地する音とへこみ具合がやけに重そうなのが気になった。
エンヴィー「アンタ、研究所にもいたAだっけ?」
『!』
急に名前を呼ばれた私は、肩を揺らしてしまった。
エンヴィー「嬉しいなあ、また会いたいな〜って思ってたんだよねえ」
『な、なにを……』
悪寒を感じた私は、少し後ろに下がる。
グラトニー「マスタングが!ラストの仇がいた!!飲んでやる!」
エンヴィー「あぁ?その辺にはいなかったぞ?」
エンヴィーを見たグラトニーは、今までの怒りようが嘘のように落ち着き始める。
エンヴィー「それに、焔の大佐は飲んじゃダメだ。」
グラトニー「そんなぁ…ラスト……ラストの仇なのに…」
ぐすぐすと涙を流すグラトニーは、姿こそは化け物のまま、落ち着きを取り戻したのだった。
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あ - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (12月21日 2時) (レス) id: 320108a8ff (このIDを非表示/違反報告)
めりあ(プロフ) - 更新楽しみにしてます (9月25日 22時) (レス) @page28 id: 4dacbef9b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - なのはさん、miriさん、コメントありがとうございました。ほかの小説を書いていましたが、長らく留守にしていながらもお待ち頂いている気持ちに答えなきゃダメだと思い、やっと更新しました。また更新していこうとおもいますので、よろしくお願いします。 (8月6日 14時) (レス) id: 36d3a8f59a (このIDを非表示/違反報告)
miri - 初コメント失礼します!エドと夢主の関係性がハガレンの物語に凄く良い感じに溶け込んでいてめちゃめちゃ大好きな小説なので続きが気になりすぎて思わずコメントしてしまいました また更新楽しみにしています⭐︎夜宵さんのペースで頑張ってください! (5月21日 22時) (レス) @page41 id: ad2029d38e (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (2023年4月9日 2時) (レス) id: bac325c829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年7月12日 15時