大は小を兼ねる ページ22
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私が走った距離は車で移動するとあっという間の距離だったようで、案外すぐにホテルに到着した。
『すみません、マスタング大佐。エド達はウィンリィを駅に送りに、出てしまったようです。』
私がホテルのフロントの人にエドの行方を尋ねると、彼らは既にホテルには居なかった。
…私が居なくなった事は、あまり気に止めて居ないんだなと、ちょっぴり思ったりもした。
マスタング「そうか…それにしても、憲兵が多いな。」
『あ、確かに…。まさかマスタング大佐、お仕事をサボって…』
マスタング「聞き捨てならないな、ちょっと黙って早帰りくらい、いつもの事だ!」
黙って帰るんかい…。
マスタング「そんな事くらいでは、私を追いかけたりはせんさ。
大方、スカーを取り逃したから、鋼のを警護のため確保しようとしているのだろう。」
『なるほど…』
マスタング大佐は、車を走らせながら教えてくれた。
やはり大佐ともあれば、頭のキレは群を抜いている。
マスタング「そういえば君、錬成陣無しでの錬成ができるのだな」
『…!』
そういえば、スカーに応戦するため、この人の目の前で、普通に錬成をしてしまっていた。
マスタング「そう身構えなくてもいい。鋼のを国家錬金術師に推薦したのは、私だ。
その経緯について知っていても、他人に漏らすようなことはしない。」
『……助かります』
びっくりした。
彼も錬金術師なのだから、人体錬成が禁忌だと言うことくらいはもちろん存じているだろう。
軍法会議にかけられたら、私の命は終わりだ。
マスタング「君も、大切な誰かを…?」
『…はい。そんな所です』
マスタング「そうか。」
エンジンの音と、マスタング大佐がギアをシフトする音が聞こえる。
マスタング「何かあった時はいつでも私に言ってくれ。
鋼のとは長い付き合いだからな。ガールフレンドの君にも、協力はおしまないつもりだ。」
『ありがとう、ございます…』
そうしているうちに、駅前にたどり着き車は止まった。
マスタング「さて、この人混みの中から鋼のを見つけるのは…まぁアルフォンスを探せばいいか」
『たしかに』
ちいさいエドを探すより、そちらの方が簡単だ。
だってほらもうあそこに
一際目立つ大きな鎧が動いているのが見えるのだから…
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あ - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (12月21日 2時) (レス) id: 320108a8ff (このIDを非表示/違反報告)
めりあ(プロフ) - 更新楽しみにしてます (9月25日 22時) (レス) @page28 id: 4dacbef9b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - なのはさん、miriさん、コメントありがとうございました。ほかの小説を書いていましたが、長らく留守にしていながらもお待ち頂いている気持ちに答えなきゃダメだと思い、やっと更新しました。また更新していこうとおもいますので、よろしくお願いします。 (8月6日 14時) (レス) id: 36d3a8f59a (このIDを非表示/違反報告)
miri - 初コメント失礼します!エドと夢主の関係性がハガレンの物語に凄く良い感じに溶け込んでいてめちゃめちゃ大好きな小説なので続きが気になりすぎて思わずコメントしてしまいました また更新楽しみにしています⭐︎夜宵さんのペースで頑張ってください! (5月21日 22時) (レス) @page41 id: ad2029d38e (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (2023年4月9日 2時) (レス) id: bac325c829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年7月12日 15時