部外者の私 ページ15
***
憲兵に保護された私達は、ウィンリィが先に保護されている軍の施設へと移動するため、車に揺られていた。
アル「あの子の錬金術、すごかったよね」
エド「オレ達とは違う感じだった」
私は助手席から、後ろの二人の会話に耳を傾けている。
エド「…つーかお前、なんだそれ。」
『?』
気になったので、振り向いてみる。
すると、アルは両手に、見慣れない動物を抱っこしていた。
アル「…さっき拾っちゃった…」
なんだろうこの動物。猫?にしては変な模様。
エド「お前この非常時に何を呑気な!!捨ててこい!!」
アル「だってかわいそうだよ!こんなに震えて…!」
エド「そりゃこんなでかい手に掴まれりゃ震え…」
エドがその動物に指を指したその瞬間、その指を動物ががぶっとひと噛みした。
エド「ギャーーーース!!!」
アル「あっ」
『いたそ…』
エド「捨てろ!!こんなケダモノ!!今すぐ車窓から捨てろ!!」
アル「ひどいな兄さん…」
『エド、大丈夫?』
エド「ん?あ、あぁ…」
よく見ると、噛まれたところから血が滲んでいる。
『血が出た時は、強く圧迫するといいよ、こうやって。止血になるから』
そう言いながら、エドの人差し指の傷を指で圧迫する。
エド「…っ」
『大丈夫?痛いの?』
エド「ちげーよ」
『?』
一瞬、目が合ったけれど、直ぐにそらされてしまった。
もしかしたら、気安く触ったのが気に入らなかったかもしれない。
でも今更、圧迫するのをやめてもなぁと思いそのままでいると
憲兵「到着しました。」
ウィンリィが保護されている建物へ到着した。
エド「んじゃちょっと行ってくる。」
『あ、うん』
そこでようやっと、エドの指を離す私。
私だけ、ホテルに戻るんだもんな、と思っていたら
エド「……」
『…!』
ぽんぽん、とエドが頭を撫でてくれた。
エド「朝の宿で待ってろよ、終わったら、アルとウィンリィと戻る。」
『わ、わかった』
じゃな、と手短に済ませエドとアルは行ってしまった。
わずかな事でも、頬が赤くなるのを感じた私は、思わず頬を押える。
詳しくは言わないけれど、きっとさっきのスカーについて、話をするんだろうな…。
私は部外者なのは分かっていることなので、深くは聞かない。
複雑な気持ちのまま、憲兵さんの運転する車で私はホテルへと戻った。
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あ - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (12月21日 2時) (レス) id: 320108a8ff (このIDを非表示/違反報告)
めりあ(プロフ) - 更新楽しみにしてます (9月25日 22時) (レス) @page28 id: 4dacbef9b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - なのはさん、miriさん、コメントありがとうございました。ほかの小説を書いていましたが、長らく留守にしていながらもお待ち頂いている気持ちに答えなきゃダメだと思い、やっと更新しました。また更新していこうとおもいますので、よろしくお願いします。 (8月6日 14時) (レス) id: 36d3a8f59a (このIDを非表示/違反報告)
miri - 初コメント失礼します!エドと夢主の関係性がハガレンの物語に凄く良い感じに溶け込んでいてめちゃめちゃ大好きな小説なので続きが気になりすぎて思わずコメントしてしまいました また更新楽しみにしています⭐︎夜宵さんのペースで頑張ってください! (5月21日 22時) (レス) @page41 id: ad2029d38e (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (2023年4月9日 2時) (レス) id: bac325c829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年7月12日 15時