かなうなら ページ11
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幸い、ここにはまだ憲兵は来ていないようだ。
スカーにやられず、スカーを殺さず、リンがホムンクルスを捕らえてくれるまで持ちこたえなきゃ行けない。
リンからの、ホムンクルスを捕らえたことを知らせる信号弾はまだかと思っていた時
スカー「むんっ!」
スカーはまた地面を破壊しつつ攻撃を繰り出してくる。
アルと一緒に、攻撃をかわしながら二手に別れる。
挟むように、地面から腕や棒をスカー目掛けて錬成していくも、スカーは軽々と避けるか、破壊していく。
アルがスカーと肉弾戦を繰り広げる。
しかし、スカーはものともせず、壁に叩きつけられてしまった。
『アル…!ぅあっ!!』
遂にスカーの放つ攻撃にアルが捉えられたことに気を取られた私は、スカーに地面に押さえつけられてしまった。
アル「A!!くそっ、Aを離せスカー!!」
『っ、ぅ、…っ』
片腕を捻るように掴まれた状態で押さえつけられている為、なんの錬成も叶わない。
そして、どうにかもがこうにも、スカーの力には到底かなうはずもなかった。
スカー「最期に、言い残す事はあるか」
ゴキンッと、彼が右腕を鳴らす
最期、という言葉に、私は覚悟を決めざるを得なかった。
アルは壁と瓦礫の間に挟まれていて、動けない。
もう、助かる見込みはない。
『…叶うのなら…』
スカー「?」
『…私を最後に…、貴方の復讐が終わってほしいと、思うよ…』
スカー「…貴様ひとりで、我らが同胞全てが救われるとでも思っ」
『思ってないよ!思ってない…。けれど…、貴方も見たはずだよ、ウィンリィを…。
復讐の連鎖は、止められない。誰かが耐えなきゃならない…
貴方にも、耐えてほしい…おこがましいと思うけれど、ウィンリィが、そうしたように…』
ウィンリィは、両親の仇を討たなかった。
どんなに深い悲しみに居ても、復讐に囚われることは無かった。
だからスカーにも、耐えてほしいと思った。
スカー「…戯言を」
アル「やめろ、やめろぉぉぉ!!」
私の顔へと、スカーの右腕が迫ってくる。
それと同時に、私は目を閉じた。
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あ - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (12月21日 2時) (レス) id: 320108a8ff (このIDを非表示/違反報告)
めりあ(プロフ) - 更新楽しみにしてます (9月25日 22時) (レス) @page28 id: 4dacbef9b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵(プロフ) - なのはさん、miriさん、コメントありがとうございました。ほかの小説を書いていましたが、長らく留守にしていながらもお待ち頂いている気持ちに答えなきゃダメだと思い、やっと更新しました。また更新していこうとおもいますので、よろしくお願いします。 (8月6日 14時) (レス) id: 36d3a8f59a (このIDを非表示/違反報告)
miri - 初コメント失礼します!エドと夢主の関係性がハガレンの物語に凄く良い感じに溶け込んでいてめちゃめちゃ大好きな小説なので続きが気になりすぎて思わずコメントしてしまいました また更新楽しみにしています⭐︎夜宵さんのペースで頑張ってください! (5月21日 22時) (レス) @page41 id: ad2029d38e (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (2023年4月9日 2時) (レス) id: bac325c829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年7月12日 15時