三十七話 ページ39
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階段を勢いよく登った私は屋上のドアを閉じてドアの前に色んな物を置いてドアを開けられないようにした。
外から「誰かこっちに来てくれ！」などという声が聞こえてくるので数分もするとここをこじ開けられてしまうだろう。
「...はぁ、はぁ、はぁ...」
たった三日、されど三日。
どうやらこの体は私が思った以上に鈍ってしまっているようだ。
「だ、誰！？」
私が体の怠さを感じ息を休めているとき後ろから幼い子供の声が聞こえてきた。
振り返ってみると私と同じ病院の服を着ている私より年下の男の子がいた。
「...そっちこそ誰だ」
「え！？ぼ、僕だよ!!あのとき、君に助けてもらった...！」
助けてもらった？...ああ。組織を潰したあと助けたやつか。
「あのときのやつか。怪我はしてないのか?」
「う、うん！でも、僕なんかより君の方が大変なんでしょ？三日も眠ってたし...」
「それは私が失敗してしまっただけだ」
戦闘後の体力不足を頭に入れていなかった。完全に私のミスだ。
「...ねえ、君の名前は何？」
「？」
何で名前なんか...別に教えてやる必要はないし、偽名でもいいか。
「山田花子」
「それ絶対嘘でしょ？流石に分かるよ！本当の名前を教えて！」
「はぁ...絶対に他のやつに言わないか？」
「うん！」
「......A。私の名前はAだ」
「...？名字は？」
「ない」
「どうしてないの？名字は皆持ってるものじゃないの？」
「...そうだな。ほとんどのやつらは持ってる。でも、持ってないやつもいるんだよ。私みたいに」
私に親はいないから。
「へ〜...」
そう返事を返されたあと何故か沈黙が続いた。
「...A...さん、は僕みたいなやつでも、ヒーローになれると思う？
僕のお父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも...家族全員警察官なんだ。
だから、僕も警察官にならないといけないってずっと言ってくるんだ」
「...」
そういう家庭は稀にある。まあ、元々家族などいないから私に縁はないが。
「僕はヒーローになりたい。...でも、僕の個性はヒーローじゃなくて、警察官に向いてるものだから...」
「ヒーローにはなれないと？」
私がそう言うとコクッと頷く。
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桜 - ユカさん» 長との戦い...ドキドキの展開（？）ですね。はたして、結果はどうなるのか...まあ、ネタバレは面白くないので続きをどうぞ！！ (2020年9月20日 10時) (
レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
ユカ(プロフ) - 桜さん» 続き読みました！長との戦いがどうなるか、楽しみですo(^-^)o (2020年9月19日 21時) (レス) id: 3871a6219e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - ユカさん» コメントありがとうございます！！テスト期間が終わったのでこれから更新しますね！！ (2020年9月18日 21時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
ユカ(プロフ) - すごい素敵なお話でした！！語彙力が無さすぎてこれ以上何も言えないのですが、続きが更新されるのを楽しみに待ってます！ (2020年9月14日 23時) (レス) id: 3871a6219e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 紀瑠 藍登さん» 本当ですか！？ありがとうございます！面白いと思っていただけたなら幸いです！こちらこそイベントに参加させてもらえてありがたいです！他にも作品ができたらイベントに参加させてもらいたいです。 (2020年8月25日 20時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜 | 作成日時：2020年8月14日 21時
