二十九話 ページ30
.
その日はいつも通り二人で食べ物を取ってきて、路地裏に隠れながら食べているだけだった。
「ゆうた！！」
「A！！」
その時、誰だか分からない怖い男の人達がやって来て、私達を連れ去ろうとしてくるから...
私達の幸せを壊そうとしてくるから。
＿＿＿＿＿＿＿殺すしかなくなる。
その時の私はゆうたと離れ離れになるのが、幸せな生活を奪われるのが、ゆうたが傷つくのが怖かったから。
私は怖かったから、人を傷つけてしまった。
やっちゃいけないことなのに、絶対にしちゃいけないことなのに、私はやってしまった。
ゆうたを連れ去ろうとしているやつを傍にあったバットで殴って殴って殴りまくった。
「はぁ...はっ...はっ...」
息が上手くできない。
これは目の前で血を流して怪我をしている人は私が原因で起こったことだという事実から来るものだと思う。
私は恐怖や後悔などで動けなくなっていた。
そんな私を、
「A！！」
ゆうたが助けてくれた。
ゆうたは動けない私の腕を引いてそいつらから助けてくれた。
...ゆうたはいっつもそうなんだ。
倒れてた私を助けてくれた。
私が食べ物を取れなかった時には自分の分を削ってまでして分けてくれる。
変な男の人に絡まれた時には個性を使って追い返してくれた。
いつもは素っ気ないけど私が困ってたら必ず助けてくれる。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿そんなゆうたは、私の初恋の人だった。
「A！俺が時間を稼ぐ！人通りが多いところに逃げろ！」
「ゆ、ゆうたは！？ゆうたも一緒に行こうよ！！」
「早く行けバカ！二人同時だったらどっちも助からないだろ！俺の個性知ってるだろ！俺はやられたりしない！」
ゆうたはいつも私を助けてくれるヒーローで、やられるところなんて見たことがなかったから、私は素直に
「分かった！！」
と、答えてしまった。
これから起こることも知らずに。
私はゆうたとあいつらに背を向けて路地から出ようと走り出した。
人通りが多いところ特有の明るい光が見えてきたので更にスピードを上げようとすると、目の前にさっきのやつらと同じ格好をしているやつらが立ちはだかった。
私は、咄嗟にゆうたに助けを求めようとすぐに引き返した。
今思えば、あいつらは二手に別れることが分かっていたから待ち伏せしていたのだろう。
が、私にはそんなことなど理解できていなかった。
...だから、あんなことになった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜 - ユカさん» 長との戦い...ドキドキの展開（？）ですね。はたして、結果はどうなるのか...まあ、ネタバレは面白くないので続きをどうぞ！！ (2020年9月20日 10時) (
レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
ユカ(プロフ) - 桜さん» 続き読みました！長との戦いがどうなるか、楽しみですo(^-^)o (2020年9月19日 21時) (レス) id: 3871a6219e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - ユカさん» コメントありがとうございます！！テスト期間が終わったのでこれから更新しますね！！ (2020年9月18日 21時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
ユカ(プロフ) - すごい素敵なお話でした！！語彙力が無さすぎてこれ以上何も言えないのですが、続きが更新されるのを楽しみに待ってます！ (2020年9月14日 23時) (レス) id: 3871a6219e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 紀瑠 藍登さん» 本当ですか！？ありがとうございます！面白いと思っていただけたなら幸いです！こちらこそイベントに参加させてもらえてありがたいです！他にも作品ができたらイベントに参加させてもらいたいです。 (2020年8月25日 20時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜 | 作成日時：2020年8月14日 21時
