愛想い想われ（緑） (ページ19)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:95,960 hit

18. ページ19

・

久しぶりに並んで帰る帰り道。

『もう春やのに今日めっちゃ寒ない？』

なんて少し顔をしかめながら、いつも通りの会話をして来る忠義。

｢でも男子ズボンじゃん、女子の方が寒いよ｣

私が避けてたこと、絶対気づいてるはずなのに

『俺らかって寒いわ(笑)』

なんにも聞かず、こうやって話してくれることに

少し視界が歪む。

『なんかあったかいもんでも飲んで帰る？』

｢え？｣

『コンビニ寄ろーさ｣

｢……いいん｣

『どーすんの？飲むの？飲まんの？』

｢飲む！！！｣

『ふはっ、(笑)』

なんて呆れ笑いする忠義。

｢わ、満月すっごい綺麗｣

『いや、どう見ても右欠けてるやん』

｢いや、左の方が欠けてるやん｣

『どっちやねん(笑)』

なんて会話をしながら、チャリを漕いでるとあっとゆう間に家の前。

すでに忠義の家は通り過ぎてるけど、一緒に帰ると毎回絶対に送ってくれる。

『ほんじゃまた明日』

｢うん、有難う｣

『あいよ』

そう行って帰っていく忠義の姿が角で見えなくなるまで見送ってから

何だかいつもより綺麗に思えたお月様を背景に

買ってくれたミルクティーと一緒にこっそり写真を撮った。