愛想い想われ（緑） (ページ11)

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『うわ、もうカレーパン1個しかないやん』

｢最悪｣

2人で楽しみにしてた購買のカレーパン。

来てみたらもうひとつしかない。

『じゃんけんやな』

｢よし、｣

｢『最初はグー、じゃんけんぽん！』｣

｢負けた、｣

『よっしゃ～』

おばちゃんいくら！なんてうきうきしながらお会計を済ませる忠義。

と、その横で項垂れる私。

負けたから仕方ないんだけど。

お昼をもって屋上へ。

｢あ、｣

『ん？』

｢蘭今日先輩とおひるたべるって｣

『あーあのサッカー部の？』

｢ぽいね｣

【蘭:先輩からお誘いしてもらった！♡♡♡♡♡】

なんて呑気なLINEを見て思わず笑みが零れる。

そのLINEに返事を返して目の前のおにぎりを手に取る。

天気もいいし、いつもみたいに2人でゆっくりお昼を食べる

すると

『A』

名前を呼ばれふと忠義の方を見上げると

｢ん！｣

口に持ってこられた、忠義のかじりかけのカレーパン。

勢いのままに口に入ったからそのままかじったけど

『お前口の周りついてるし(笑)』

なんて優しく笑いながら私を見てる忠義を見て

｢っ、｣

顔が熱くなる私。

『Aめっちゃ顔赤いけどそんな辛ないやろ？』

｢あ、え、うん、大丈夫、おいしい｣

動揺を隠しつつも、うまいわあ～なんて嬉しそうにカレーパンを頬張る忠義を眺めながら

これが友達以上恋人未満の特権でもあり

友達以上恋人未満の苦しみでもある

なんて考えてた。