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「別に、健人君には可愛い私を見てもらいたいの、」
見透かすような視線に目が合わせられなくなってそっと逸らす
風磨「俺はそういうところも可愛いと思って一緒にいたけどな」
さっきと声色を変えずあまりにも自然にそう答える風磨に反射的に顔を上げる
頬杖をつく彼は私のほうを見て優しい顔をする
あぁもうやめてよ、
「もう、っっ、そういうのいいから」
赤くなった顔を、いや、酔いを醒ますためにお冷を一気に飲む
風磨「はいはい、可愛くない返事しないの」
そんな私を見兼ねて空気を読むように茶化しながらそういう風磨
風磨ってやっぱりこういうところ鋭い
「…トイレ行ってくる」
なんだか居心地が悪くなった私は一旦落ち着こうとトイレに向かう
飲みすぎたかな、ドクドクとやけに速く脈打つ心臓はきっとお酒のせい
ふぅ、と一つ深呼吸をして席に戻ろうとドアを開けると誰かにぶつかった
樹「っっやべ…」
「樹…??あんた何でここに居んの」
樹「いや、たまたま、、ね」
分かりやすく目を泳がせる樹に瞬時に悟った
こいつ、私達の様子見に来てたな…
「樹、明日分かってるよね?」
にっこり微笑んでそういうと、力なくはい…と返事をする樹
?「おーい樹!!ナンパしてんじゃねーよ!!」
遠くからそんな声がして振り向くと樹がいつも大学で仲良くしている2人、慎太郎君と北斗君が座っていた
大きな声で樹を呼んだ挙句ナンパという単語に周りがちらちらとこちらを見る
樹と顔を見合わせて苦笑いをすれば、すみませんすみませんと周りに謝りつつ急ぎ足で慎太郎君たちの席に向かう。
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作者名:# 希羅 | 作成日時:2022年4月13日 1時