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[あれ、Aちゃん達ひさしぶりだね。すっかり大学生らしくなってる。]
『大学生らしいって、そりゃ二年目ですから?』
[注文はいつもの?]
悠「お願いしまーす」
そういってあの頃の特等席。一番端っこの窓際に腰掛ける。
そう、ここは高校生の頃にしょっちゅう通っていたカフェで多いときは週に3回も通った時もあった。
大学生になってからは折角だから新しくいいカフェを発掘しようとここには来ていなかったけど、覚えていてくれたマスターの愛に頬が緩む。
悠「なーんか思い出すね」
『意外と思い出って色褪せないもんだね』
悠「そうそう。しばらく来てなかったからちょっと変わってるかなと思ったけど、良い意味で何も変わってなかったからより鮮明に思いだすって言うかさ」
『悠ここのアールグレイが好きすぎて必ず2杯はお代わりしてたもんね(笑)』
悠「そんで樹はクリームソーダね(笑)」
あの頃の席に座った途端、昨日のことのように思い出す記憶。
それと同時に今はもう側に無い彼のことも思い出すのは最早不可抗力で。
[はいお待たせ、キャラメルマキアート]
珈琲のコクのある香りとキャラメルの甘ったるい香りが交差する。
悠「風磨、元気かな」
『っ、、あいつのことだから元気でしょ(笑)』
その名前を耳にするだけで未だにドキッとする。
それは胸きゅんとかの動悸ではなくて、なぜか緊張するような心臓を一瞬掴まれたような感覚で
悠「ふふ、そうだよね」
そんな私を見て目を細めて微笑む悠を不思議に思う。
風磨は既に私の中では過去の人。
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作者名:# 希羅 | 作成日時:2022年4月13日 1時