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素の笑顔、心から楽しんでる。
風磨と再会してから二人からよく聞く言葉だ。
そんなにつまらなそうにしてたかなぁ私。毎日楽しいし別に闇を抱えてるわけでもない。
確かに楽しいなとか、涙が出るほど笑ったのはここ最近を振り返っても何度もある。
でもその前も別になくはないわけで。
そんなに言われるとなんだか心の奥で引っ掛かる思いだった。
授業も終わり、直接集合場所に向かうにはちょうどいい時間。
悠たちはデートに行くらしく駅で別れた。
最寄りで降り、居酒屋の近くまで行くと7時前。
既に酔いが回り大きな声で話すサラリーマンを横目に風磨を待つ。
『あれぇ、お姉さんこの前の子じゃなーい?』
明らかに自分に話しかけられていることに気づき視線を上げれば、いつぞやのバイト先で絡まれた酔っ払いだった。
最悪…顔見ちゃったし
『今日は一人なの?今度こそ俺と飲みに行かね?」
「いや、友人と待ち合わせしているので…」
『えーじゃあその子も一緒に飲もうよ!』
「いやほんとに…!」
強めに断ろうとしたとき、目の前に立った大きな背中とふわっと香った香水にホッとした気持ちになった
風磨「またお前かよおっさん」
『お前…この前の』
風磨「こいつと待ち合わせてたの俺ですけど、一緒に飲みます?」
『ッチ、飲まねーよ』
風磨がそういうなり、前回のこともあってかあっさり諦める男。
ほんとタイミングよくて助かった。
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作者名:# 希羅 | 作成日時:2022年4月13日 1時