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「お前は、いつまでも
「俺は
分かりやすい挑発じみた言葉に、漸く赤井は回りくどすぎる降谷の真意に辿り着いた。
大の男にブーケを貰った事も含め、そんな趣味は毛頭持ち合わせていない赤井は、身体の内からむず痒さが込み上げてくる気がした。
トドメを刺したのは、降谷の一言だった。
「お前が立ち止まったままなら、戦力的には日本警察の一歩リードってところだな。」
「……っ……ハハハハハ…ッ」
下を向き、突然笑い出した赤井に、降谷の表情は分かりやすく乱れ、一歩二歩後ろへと下り赤井と距離を取った。
次第に木霊した笑い声は消えていく。
赤井がゆらりと顔をあげた。
「そんな事…あって良い訳ないだろう。」
まるで腹を空かせた肉食動物の様に鋭く力強い赤井の
大きな背中を小さく丸めた赤井は、微かにたなびくろうそくの火に線香に翳しながら、背後に立つ降谷へ話しかけた。
「まさか…君に諭される日が来るなんて、…生きてみるもんだな。」
「…ああ。」
「人生は何が起こるか分からない、か。」
線香になかなか火が移らない。
「ちなみに言うと、人生はまだまだこれからだぞ。
日本人男性の平均寿命は81歳位だからあと約50年ってとこか。
ああ、お前はアメリカだったな。
アメリカ人の平均寿命はいくつだったか。」
「……アメリカ国籍なだけで、アメリカ人な訳ではない。
…1つ疑問なんだが、」
ようやく、線香の先に火が灯った。
「おい、線香に息吹きかけるなよ?」
「…流石にそれ位のマナーは知ってる。」
赤井はその後無言で線香を墓前に供え、手を合わせた。
赤井が
花は降谷が指定した。
清らかな純白のエゾギク。
ぼんやりと見ていると、ポケットの中の降谷のスマートフォンがブルブルと震えた。
「降谷君、一つ聞きたいんだが……っ‼」
振り返った赤井は、目に飛び込んだ光景に刮目することになった。
そこには、スマートフォンの画面を確認しながら幸せそうに顔を綻ばせる降谷の姿があったからだ。
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コハク(プロフ) - ハロウィンの花嫁を視聴後、愛を込めて花束ををまた読み返したくなりました!相変わらず最高で、お腹いっぱいになっちゃいました!!これからもまた読み返しにきます!投稿ありがとうございます! (2022年4月30日 2時) (レス) id: 7f6bf31979 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - コメント失礼します。エンドラインの向こう側3,4のパスワードを教えていただきたいです。どこで聞いたらいいか分からなかったため、ここで書かせて頂きました。途中まで読んでいたのでとても気になります!よろしければお願いします。 (2022年2月13日 23時) (レス) id: 3b44c51b75 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - はじめまして。エンドラインの向こう側のパスワードを教えていただきたいのですがどこから申請すれば良いか分からずここのコメントに書かせていただきました。よろしければパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします (2021年11月19日 17時) (レス) id: 88d70f8178 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりょ - はじめまして。とても楽しく読ませていただきました。赤井さんとのお墓での会話、ヒロの死の真相を知った降谷さん...もう涙を流しながら読みました。原作もこのような雪解けをして欲しいと思ってしまいます。でもひとつだけ『起用歴』ではなく『既往歴』です。 (2020年9月1日 0時) (レス) id: 63d61d9800 (このIDを非表示/違反報告)
真夏 - 虎鉄(DC一時お休み中)さん» お知らせしてくださってありがとうございます!今気づきました!!早速読んできたいと思います!とっても嬉しいです!!ありがとうございます! (2020年6月13日 17時) (レス) id: ff5b67d1bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年7月29日 11時