”拝啓 お母様” END. ページ43
そして俺は、見てしまった。
一瞬だけ、
チラッと見えたAさんの左耳付け根
さっきAさんが顔を真っ赤にさせて隠した場所
そこにあった
一見すると虫刺されにも見える
微かな鬱血痕を。
(え、あれって…え、嘘だろ…？)
「箸、落としてましたよ。」
奴はそう言ってさっき俺が落とした箸を拾い上げ、放心してた俺に差し出してきた。
裏にでも行ってるのか、Aさんは居ない。
「お前…一体、何なんだよ…っ」
思わず震えた俺の言葉に、そいつは、若い見た目からは想像も出来ない位の威厳を見せながら言った。
「旦那だよ。」
そして、言葉を失った俺に、まるで手の平を返したように柔らかな物腰でこう続けた。
「いつも妻のAがお世話になってます。
この店は、新規もさることながら沢山の常連の方々に支えられて成り立ってる。
その内の一人である貴方に、Aはもちろん、夫である僕からも御礼申し上げます。
これからも、ぜひ”お客様”として、Aとこの店をよろしくお願いしますね。」
お邪魔虫は、俺だった。
拝啓
お母様
俺の好きな人は、もう既に誰かの奥さんでした。
都会は、怖いです。
「あれ？そこに座ってらした、えっと…桜井さん、帰られました？」
「ああ、なんだか急に会社から連絡が入って今から向かうらしい。
お代はそこに、お釣りは今度でいいって。」
「呼び戻されるなんて、会社から頼りにされてるんですねー。
お仕事大変だって言ってたし。」
「そんな事より、二人きりの時は敬語外してくれ。」
「そんな事って…。
零くん、なんか良いことあった？」
「んー？何で？」
「なんか、機嫌良さそうな顔してる。」
「やっと二人きりになれたからな。
今日はこの後二人でゆっくりして、一緒に帰って、一緒に寝よう。」
「この後お客さんが来なかったらね？」
「来ないさ。」
「そう自信満々に言われると複雑なものも感じるけど…どうして？」
「今日の朝の占いで、俺の星座は一位だったからな。」
END.
(後書き)
モブ視点どうだったでしょうか…
ちょっと残念なモブさんと、大人気ないけどしっかり牽制する降谷さんの話でした。
モブ視点、想像以上に書きやすかった！
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コハク(プロフ) - ハロウィンの花嫁を視聴後、愛を込めて花束ををまた読み返したくなりました！相変わらず最高で、お腹いっぱいになっちゃいました！！これからもまた読み返しにきます！投稿ありがとうございます！ (2022年4月30日 2時) (
レス) id: 7f6bf31979 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - コメント失礼します。エンドラインの向こう側3,4のパスワードを教えていただきたいです。どこで聞いたらいいか分からなかったため、ここで書かせて頂きました。途中まで読んでいたのでとても気になります!よろしければお願いします。 (2022年2月13日 23時) (レス) id: 3b44c51b75 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - はじめまして。エンドラインの向こう側のパスワードを教えていただきたいのですがどこから申請すれば良いか分からずここのコメントに書かせていただきました。よろしければパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします (2021年11月19日 17時) (レス) id: 88d70f8178 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりょ - はじめまして。とても楽しく読ませていただきました。赤井さんとのお墓での会話、ヒロの死の真相を知った降谷さん...もう涙を流しながら読みました。原作もこのような雪解けをして欲しいと思ってしまいます。でもひとつだけ『起用歴』ではなく『既往歴』です。 (2020年9月1日 0時) (レス) id: 63d61d9800 (このIDを非表示/違反報告)
真夏 - 虎鉄(DC一時お休み中)さん» お知らせしてくださってありがとうございます！今気づきました！！早速読んできたいと思います！とっても嬉しいです！！ありがとうございます！ (2020年6月13日 17時) (レス) id: ff5b67d1bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虎鉄
| 作成日時：2018年7月29日 11時
