”小さな宝物に出逢った日” END. ページ38
降谷の涙が頬を伝い、小さな赤子の頬へ零れ落ちた。
「……あっ…」
その一瞬、小さな顔がくしゃりと顰められた事に降谷は分かりやすく動揺した。
閉じられている瞳に、ぐっと一度力が入ったと思いきや、ゆるゆると次第にその瞳は開いていった。
透き通った目に、降谷が映し出される。
泣くわけでもなく、小さな瞳は降谷を見つめ続けた。
「…上司に、産まれたての新生児は顔がクシャクシャで、元ボクサーに似てるか有名落語家に似てるかの2択だ、って言われたんだ。」
「うん。」
「…とんでもないっ。
この子は、天使だな。」
まるで宝物を見つけた少年の様な幼さで降谷は笑った。
そして、愛おしそうにその小さな身体を優しく、壊れないように抱き締めた。
降谷の柔らかな笑顔は見たことがあった。
けれど、こんなに、
白い歯を見せながら、目が無くなる程笑った降谷を、Aは初めて見た。
降谷と居ると、Aは思い知らされる。
降谷の事も、感じた事のない自分の感情も
まだまだ知らない事ばかりだ。
「…幸せって、終わりがないんだな…。」
流石にもう慣れたのか、先程のAの様に降谷は、柔らかな頬を軽く突きながらぽつりと呟いた。
「…そうだね。
初めて寝返りが打てた。
ハイハイが出来た。
掴まり立ちしたら、きっと歩くのなんてあっという間で…。
お遊戯会して、運動会もして、そして卒業して…。
下なんて見る暇ない位、忙しいかもね。」
「…あぁ。」
まだまだ知らない事ばかりだ
だから生きて行こう
この先も、手を繋いで
「お父さん達が来るまでには、泣き止んでね？
お父さん。」
「……あぁっ…」
「何で、足なんて写真撮ってるの？」
「いや…まさか足に”降谷Aベビー”なんてマジックで書かれてるなんて思わないから…あぁ、俺の子供なんだなって、文字で見たらなんか可愛くて。
待ち受けにしようかな。」
「零君、そこは普通に写真にしたら？」
END.
(後書き)
性別も名前も皆様に丸投げ。
新生児に戸惑う降谷さんを書きたかっただけ(^人^)
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コハク(プロフ) - ハロウィンの花嫁を視聴後、愛を込めて花束ををまた読み返したくなりました！相変わらず最高で、お腹いっぱいになっちゃいました！！これからもまた読み返しにきます！投稿ありがとうございます！ (2022年4月30日 2時) (
レス) id: 7f6bf31979 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - コメント失礼します。エンドラインの向こう側3,4のパスワードを教えていただきたいです。どこで聞いたらいいか分からなかったため、ここで書かせて頂きました。途中まで読んでいたのでとても気になります!よろしければお願いします。 (2022年2月13日 23時) (レス) id: 3b44c51b75 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - はじめまして。エンドラインの向こう側のパスワードを教えていただきたいのですがどこから申請すれば良いか分からずここのコメントに書かせていただきました。よろしければパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします (2021年11月19日 17時) (レス) id: 88d70f8178 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりょ - はじめまして。とても楽しく読ませていただきました。赤井さんとのお墓での会話、ヒロの死の真相を知った降谷さん...もう涙を流しながら読みました。原作もこのような雪解けをして欲しいと思ってしまいます。でもひとつだけ『起用歴』ではなく『既往歴』です。 (2020年9月1日 0時) (レス) id: 63d61d9800 (このIDを非表示/違反報告)
真夏 - 虎鉄(DC一時お休み中)さん» お知らせしてくださってありがとうございます！今気づきました！！早速読んできたいと思います！とっても嬉しいです！！ありがとうございます！ (2020年6月13日 17時) (レス) id: ff5b67d1bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虎鉄
| 作成日時：2018年7月29日 11時
