愛を込めて花束を3【降谷零】

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ふと視線を逸らした扉の先に見えた
一点の曇りもない澄み切った青空は
どこまでも青く

新一はガラにもなく思った。

どうか彼等の愛が1秒でも長く、願わくば永遠に続きます様に、と。









二人の姿は、一般的な新郎新婦とは大きく異なる。
新郎である降谷は薄いコバルトブルーのシャツに黒のスラックスをスラリと着こなしている。
一方新婦のAが纏うのは、向日葵の様に鮮やかで、仕立ての良い黄色のワンピースだ。

二人が通り過ぎた後には、それぞれの感嘆の声が漏れる。

「わぁ…綺麗…っ！！」

かくいう隣の幼馴染も、目を輝かせて興奮気味に言った。



台上に立った二人に、牧師が語りかける。

「良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、
共に歩み、他の者に依らず、
死が二人を分かつまで
愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、
神聖なる婚姻の契約のもとに
誓いますか？」

「はい、誓います。」

降谷はしっかりとAの目を見て誓った。



神父の視線が、Aに向かう。
外国人である牧師がふいにAに向けてウィンクをしたのを見て、降谷の頭上にはハテナが浮かぶ。

「良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、
共に歩み、他の者に依らず、
死が二人を分かつまで
愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、
かの者達に誓いますか？」

「…っ⁉」

聞いた事もない神父のアドリブに降谷は目を丸くさせた。
Aは、目を閉じ、笑った。

「はい。
…必ず幸せにすると、彼等に誓います。」

閉じたAの瞼の裏には、会った事はない彼等が、思い思いの表情を浮かべ、兄と笑っている。







「それでは、誓いのキスを」

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