09話”沈黙” ページ13
立て続けに仲間の元を訪れていたからだろうか。
最後に会えたのは何年も前な筈なのに、記憶の中の彼等は、まるで今もまだそこに存在するかの様に生き生きとしていた。
想い出が次々と押し寄せる。
「衝撃的な味だったよな、アレだけ。」
降谷の視界で、何かが動いた気がした。
咄嗟にその方向に目を向けると、そこにはただ街灯があるだけだった。
「なんだ、街灯の蛍光灯が切れかけてるだけか。」
降谷の視界で動いたのは、街灯の灯りだった。
今にも消えそうにチカチカと点滅を繰り返している。
ふと辺りに目を配ると、来た時にチラホラ見えていた人影はなくなっていた。
ここに着いてから、それなりの時間が経っていた事に降谷は気付く。
パチ、と音を立てて街灯が力尽きた様に灯りをなくす。
他にも街灯はある為、真っ暗になった訳ではないが一段階暗くなった視界につられたのか、降谷はオレンジの灯らない真っ暗だったあの場所を思い出した。
「店、やってなかったな…。」
人の感情の機微に目敏かった情報収集のスペシャリストであるバーボン
かつては探偵と名乗りいくつも裏から事件を解決に導いた安室
公安警察きってのエースであり、様々な顔を使い分けた切れ者の降谷
そのどれを駆使しても、彼女のあの言葉の意図に辿りつく事は出来なかった。
こんな時
「こんな時、お前が居てくれたらな。」
”え、あの降谷が⁉面白い展開だね〜”
ここぞとばかりに面白がっただろうか
でも
”んで?どうしたのさ。俺に話してみ?”
お前ならきっと親身になって聞いてくれたんだろうな。
【ラベンダー:沈黙】
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虎鉄(DC一時お休み中)(プロフ) - 休校さん» 休校様、返信遅れて申し訳ありません!コメント有り難う御座います(^^)上から目線だなんてとんでもない!感想だけでも嬉しいのに、面白いと言って頂けて本当に感激です。この作品は特に、言葉を大事にしたのでより嬉しいです!また読んで貰えると跳んで喜びます笑。 (2020年6月20日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
休校 - とても素敵でした!今まで降谷さんのお話をはしごしてきたのですが、一番面白かったです。(上から目線不快に思われたら申し訳ない! 本当に、本当に、言葉といい、センスといい、ストーリーといい、弟子にしてください笑また、見にきさせていただきます。お疲れ様です (2020年6月15日 21時) (レス) id: e4ab2b5df5 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - 藍さん» 夜分遅く&返信遅くなり申し訳ありません。テーマは幸せ、だったのでそう感じて頂けて何よりです!文字数多くて読むの大変だったかと思いますが、それにも関わらず感想を下さり、本当にありがとうございます!これからも頑張れる様に頑張ります!笑。 (2019年5月13日 1時) (レス) id: f628ddcf07 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 読ませて頂きました!とっても綺麗なお話で、最後の幸せすぎる展開にお恥ずかしながら涙しちゃいました…笑これから続編も読ませていただくのですが、どうしても感想を伝えたくて仕方がありませんでした!これからも頑張って下さい!応援してます(*´ω`*) (2019年5月6日 23時) (レス) id: 8bfd8d1747 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ノンノンさん» 勿論覚えております^_^コメントありがとうございます!桜木美咲…!桜の木が美しく咲く、すごく日本らしくて素敵な名前に、自分でちょっとグッジョブと思ってしまいました笑。ノンノン様のコメントで私は幸せな気持ちです^_^本当に感謝です! (2018年8月2日 2時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年7月6日 0時