05話 ページ35
いつもより早く来たせいか、人も居て賑わったせいか気が付けばかなりの時間が経っていた。
けれど降谷は、ここに訪れる前よりも身体は軽くなった様に感じていた。
同時に、身体の中心が温かくも感じる。
決して、風邪や熱のせいではない。
「風見、先に外行っててくれ。」
「は、はい。」
会計をしようと立ち上がった降谷に次いで席を立った風見だったが、降谷に片手で制され、降谷の言葉に甘えるべく大人しく引き下がった。
そして、Aに一言声を掛けると先に暖簾をくぐった。
「今日は、何だかすみませんでした。」
「いや、本当に気にしてないから大丈夫。
と言いたい所だけど…」
「え」
言葉を濁した降谷に、Aは思わず身を固くする。
そんなAを見て、思わぬ勘違いに及ぶ前に降谷は慌てて言葉を続けた。
「いや、そういう意味じゃなくて‼
俺が気にしてるのは…」
「……」
「…居ないから。」
「…え？」
「彼女、なんて居ないから。」
「は、はい。」
「変に誤解されたら、俺が困る。」
「…は、はい。
二股する様な人じゃないって分かってるつもりですから、大丈夫ですよ？」
しっかり目を見て言った筈が、後半は自身を見上げるAの視線に負けて逸らしてしまったのが悔やまれる。
(挙動がおかしくないか、俺。
それにしても全く伝わってなさそうだな…)
Aのキラキラした視線を感じて、向き合う勇気はもうなかった。
降谷は苦し紛れに続けた。
「今度…俺も持ってきて良いかな。
マグカップ。」
「もちろん。」
外で待つ風見は、どうしたものかと立ち尽くす。
数分すると、ガラガラと引き戸が開き降谷が暖簾をくぐった。
続いてAも外に出てくる。
「今日はありがとうございました。」
「帰ったらすぐに休むよ、ありがとう。
今日も美味かった、ご馳走様。」
「ご馳走様でした。
降谷さんも、すみません…ご馳走になってしまって。」
「誘ったのは俺だから当然だ。」
一礼し、歩き出す2人をAは呼び止めた。
降谷は分かっていたが、風見は何か忘れ物でもしたのか？とキョトンとした顔で振り返る。
「行ってらっしゃい！」
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虎鉄(プロフ) - 朔夜さん» この話において優しいは最高の褒め言葉です、ありがとうございます涙。まさにその通り、ちょろっとしか知りませんがその方をイメージしております！ほっこりをお届け出来ているなら心底ホッとしました。 (2018年6月30日 20時) (
レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - あー、なんて優しい話だー。うっかり某特命係の行きつけを思い出し、かってにリンクさせてホッコリ.....。幸せという花束、ありがとう(^-^) (2018年6月30日 19時) (レス) id: 52c615fe9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 即減速したので大丈夫でした笑。この道路でこの制限速度はちょっと…と思いながらも、車社会なので一発免停に怯える毎日です。ご心配お掛けしてすみません！本当にいつもありがとうございます涙。 (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 頑張ってきた発言にホロリときそうでした…数字に囚われて精神的に更新に追われてた部分があったので、2日休むだけで大分プレッシャーから解き放たれました笑。未だスランプ中ですが汗。警察学校組を下手に書きたくないってのもあるかもしれません… (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - そして覆面Σ( ﾟДﾟ)！！免停は免れたのでしょうか((( ；ﾟДﾟ)))？気を付けてください(>_<) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3760492a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虎鉄
| 作成日時：2018年6月15日 0時
