05話 ページ32
降谷と風見は心当たりのありすぎるワードに内心、心がドキッとする。
Aは端に座る2人が、それこそテロに大きく関わる仕事に就いているとは夢にも思わないだろう。
「父はよく、私の兄より柔道が強い奴じゃないと結婚は許さないって言ってましたけどねー…人間、歳を重ねるとやっぱり忘れやすいんですかね。」
「へぇ…どれ位強いの？」
「柔道はよく分かりませんが、よだん？よんだん？って言ってました。」
「それだったら俺も勝てたりしないかなー、って俺も柔道分かんないんだったわ‼」
(おいおい4段って相当な強さだぞ…)
我に返ったかのように降谷は再び手を動かし始めた。
Aが柔道に関心がないならばその凄さが分からないのも無理はない。
(4段…、いや、でも降谷さんなら…)
勝手ながら風見は、降谷がここに通うのは単に料理の美味さからだけではないとにらんでいる。
「じゃあ、元彼は？
ホラ、あの…ヘリのお医者さん！」
「またどこからそんな情報を…」
「違うよ菊池さん‼
それじゃ整備士じゃねーか‼
ヘリに乗るお医者さん、だろ？」
「そうとも言うなっ‼」
Aを置き去りにガハハと高らかに笑い声を上げる彼等は、もはや周りなど見えていない。
今、彼らの世界の中心は彼等である。
アルコールとは恐ろしい。
「そんな事よりAちゃん！
俺にも雑炊作ってよ、ありゃシメに最高だ！」
「俺も！」
「あれは特別メニューです。
他の方にはお作りしません。」
「えー！ズルい！」
「ズルいも何も元気じゃないですか。」
彼女は、年齢も含め女将には及ばない主旨の話をしていたが年配の男性に対し、腰に手を当て堂々と嗜める和服の後ろ姿はどこからどう見ても女将の風格だ。
「雑炊ー……」
「お料理上手な奥様が居るじゃないですか。
飲み過ぎた次の日にでも作って貰って下さい。」
「飲み過ぎたー！もう飲み過ぎたー！
飲み過ぎたから今胃を休めたいー！」
50はゆうに超えているであろう男の駄々をこねる姿を見て誰が得するだろうか。
公安という立場上、自我が保てなくなるほど酔うという事は滅多にないし、それは周りの人間も同様だ。
こんな現場に遭遇するとは思いもしなかった。
どちらかと言えば、行き過ぎた酔っ払いをしょっぴく側である為、風見は行く末を案じ、どうしたものかと狼狽え始めた。
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虎鉄(プロフ) - 朔夜さん» この話において優しいは最高の褒め言葉です、ありがとうございます涙。まさにその通り、ちょろっとしか知りませんがその方をイメージしております！ほっこりをお届け出来ているなら心底ホッとしました。 (2018年6月30日 20時) (
レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - あー、なんて優しい話だー。うっかり某特命係の行きつけを思い出し、かってにリンクさせてホッコリ.....。幸せという花束、ありがとう(^-^) (2018年6月30日 19時) (レス) id: 52c615fe9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 即減速したので大丈夫でした笑。この道路でこの制限速度はちょっと…と思いながらも、車社会なので一発免停に怯える毎日です。ご心配お掛けしてすみません！本当にいつもありがとうございます涙。 (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 頑張ってきた発言にホロリときそうでした…数字に囚われて精神的に更新に追われてた部分があったので、2日休むだけで大分プレッシャーから解き放たれました笑。未だスランプ中ですが汗。警察学校組を下手に書きたくないってのもあるかもしれません… (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - そして覆面Σ( ﾟДﾟ)！！免停は免れたのでしょうか((( ；ﾟДﾟ)))？気を付けてください(>_<) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3760492a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虎鉄
| 作成日時：2018年6月15日 0時
