05話 ページ27
「零さん、最近ぐっすり眠れてますか？」
Aのその質問で、降谷は目にあてていたおしぼりを避けて、Aを見上げた。
同時に風見は、降谷へのAのその質問で、(当たり前だが)降谷が自身の職業をAに明かす事まではしていないのだと悟った。
日本国民がぐっすり眠れる様に平和を守るのが、降谷達の仕事である。
その為には、自分達の睡眠は二の次だ。
「ぐっすりとは言えないけど、前よりは眠れてる。」
「そうですか…わかりました。
今準備しますのでもう少々お待ち下さいね。」
そう言うと、Aはテキパキと料理の準備にかかり始めた。
それを待っていたとばかりに、離れた席に座っていた男2人組がほんのり赤らめた顔でAに話しかける。
「Aちゃん‼だし巻き玉子作れる？」
「だし巻き玉子はやってないんですよ。」
「ええーそうなの⁉
Aちゃんのだし巻き玉子食べてみたかったなー。」
「ごめんなさい」
その会話を聞いて、降谷は今まで気にも留めていなかった事に気がつく。
(そういえばこの店って、メニューないんだな。)
思い起こせば、初めてここで食べた肉じゃがもこの前の肉豆腐も、誰とは言っていなかったが”沢山貰ったからその日のメインになった”とAが言っていた気がする。
安室透時代、多少なりとも飲食店を齧った降谷にはわかる。
齢26の謂わば若女将が、無償で食材を渡されるという行為こそ、彼女の容姿もあるが、それ以上に彼女の人となりを十二分に表している。
「Aちゃん、今度からさ、いらっしゃいませじゃなくておかえりなさいって言ってよ。
いってらっしゃいには、やっぱりおかえりなさいでしょ‼」
「お、それいいね‼」
「……」
すぐ返される事のなかったAの態度に、降谷は思わずチラリとAを見やる。
彼女の、包丁を持つ手が止まっていた。
その奥に、男二人組が見えた。
その男達が若ければ、タチの悪いナンパと変わりなかっただろうが、相手は気持ち良く酔いの回っている年配だ。
一客である自分がここでフォローをして事態が拗れると、何よりAに迷惑が掛かると思い、降谷は事態を見守る事に決めた。
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虎鉄(プロフ) - 朔夜さん» この話において優しいは最高の褒め言葉です、ありがとうございます涙。まさにその通り、ちょろっとしか知りませんがその方をイメージしております！ほっこりをお届け出来ているなら心底ホッとしました。 (2018年6月30日 20時) (
レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - あー、なんて優しい話だー。うっかり某特命係の行きつけを思い出し、かってにリンクさせてホッコリ.....。幸せという花束、ありがとう(^-^) (2018年6月30日 19時) (レス) id: 52c615fe9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 即減速したので大丈夫でした笑。この道路でこの制限速度はちょっと…と思いながらも、車社会なので一発免停に怯える毎日です。ご心配お掛けしてすみません！本当にいつもありがとうございます涙。 (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 頑張ってきた発言にホロリときそうでした…数字に囚われて精神的に更新に追われてた部分があったので、2日休むだけで大分プレッシャーから解き放たれました笑。未だスランプ中ですが汗。警察学校組を下手に書きたくないってのもあるかもしれません… (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - そして覆面Σ( ﾟДﾟ)！！免停は免れたのでしょうか((( ；ﾟДﾟ)))？気を付けてください(>_<) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3760492a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虎鉄
| 作成日時：2018年6月15日 0時
