05話「唐揚げと杏仁豆腐？」 ページ24
あれから、何度かあの店に通う日々が続いた。
もちろん毎日なんて、そんな分かりやすく単純な事はしない。
しないというよりは出来ないに近い。
現場を退こうが降谷を待つ仕事は山積みだ。
通えるものなら通いたい。
毎日通いたい気持ちは、なきにしもあらず。
少しずつ、降谷の変化は目に見え始める。
「あれ？今日降谷さん、コンビニ袋持ってないな。」
「お前今頃気付いたのかよ。
今日だけじゃない、最近あの人コンビニ飯食ってないんだよ。」
「…まさか降谷さん…
遂に何も食わなくなったのか…？」
彼らの視線を一手に集める降谷は、今日は席を外さずにデスクで昼を過ごすらしい。
コソコソと会話を続ける彼らの後ろのドアがガチャリと開く。
肩を震わせ、恐る恐る振り向くとそこには廊下の自販機で買ってきたであろう缶コーヒーを手にする風見が立っていた。
「風見かよ…ビビった。」
「何してるんだお前ら、仲良いな。」
肩を寄せ合う同僚へ、またバカな話でもしてるのか手を進めろと言いたげな視線を一つ向けると、風見はそのまま缶コーヒーを片手に降谷の元へ向かおうとする。
2人はそんな風見をコソコソと引き止めた。
「おい、風見！」
「…なんだ」
「良いのか⁉」
「何が」
「最近降谷さん、コンビニ飯も食ってなくないか⁉」
「お前、割と降谷さんと飯食ってるよな⁉」
風見はチラリと奥に居る降谷を見やる。
パソコンの画面を注視しているかと思われたが、その瞳は左右上下動く事はなくどこか一点を見つめていて、珍しく上司は心ここに在らずといった様子だった。
そして、風見は自身を見上げる2つの視線を受け止める。
(まぁ別に隠す様な事でもないか)
「食べてるよ。
自分で作ったらしい弁当持ってきてな。」
「ふ、降谷さんが再び自炊…ま、まさか‼」
「再び潜入捜査か…っ⁉」
今日も、日本は平和である。
21:00過ぎ
「お疲れ様です。」
徹夜に慣れている人間からすれば、この時間の残業など残業の内には入らないだろう。
しかし、今日一日ぼんやりとする事の多かった上司降谷を気遣い、風見はそっとデスクにコーヒーを置いた。
「今日はあと1つ報告書に目を通したら帰る。
お前はまだかかりそうか？」
「いえ、自分もあと1つやったら今日は帰ろうかと。」
「そうか。
じゃあ風見、ちょっと付き合え。」
それは珍しい誘いだった。
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虎鉄(プロフ) - 朔夜さん» この話において優しいは最高の褒め言葉です、ありがとうございます涙。まさにその通り、ちょろっとしか知りませんがその方をイメージしております！ほっこりをお届け出来ているなら心底ホッとしました。 (2018年6月30日 20時) (
レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - あー、なんて優しい話だー。うっかり某特命係の行きつけを思い出し、かってにリンクさせてホッコリ.....。幸せという花束、ありがとう(^-^) (2018年6月30日 19時) (レス) id: 52c615fe9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 即減速したので大丈夫でした笑。この道路でこの制限速度はちょっと…と思いながらも、車社会なので一発免停に怯える毎日です。ご心配お掛けしてすみません！本当にいつもありがとうございます涙。 (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 頑張ってきた発言にホロリときそうでした…数字に囚われて精神的に更新に追われてた部分があったので、2日休むだけで大分プレッシャーから解き放たれました笑。未だスランプ中ですが汗。警察学校組を下手に書きたくないってのもあるかもしれません… (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - そして覆面Σ( ﾟДﾟ)！！免停は免れたのでしょうか((( ；ﾟДﾟ)))？気を付けてください(>_<) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3760492a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虎鉄
| 作成日時：2018年6月15日 0時
