04話”真実の愛” ページ23
「やっぱり、1つじゃちょっと不恰好だったかな…。」
花立ての片方にだけ供えられた花束を見て、降谷はぼそりと溢した。
「例え花束でも、2つに分かつ事はしたくなかったって言ったら…お前ら笑うか?」
そんな降谷の計らいも含めた結果の、デートに告白、飛躍してプロポーズまでいったAの勘違いに降谷は心底焦った。
彼女の言葉を否定で遮ったほどに。
突然ボリュームの上がった降谷(安室)の声に、何かマズイ事を言ったのかと若干青ざめ始めたAに怪しまれない様にフォローを入れるのには苦労した。
「彼女の中じゃ、降谷と安室はそれぞれ別人なのにな。
慌てて否定したもんだから、驚かせてしまった。
誤解は解いたものの、また変な誤解を生んでないと良いけど…。
安室の事を双子かと思ったのに、違うって言われたらドッペルゲンガーだ、気をつけろって言うんだ。
可愛すぎだろ…」
生きている間、恋愛に関して彼らと深くまで話をした事はあまりなかった様に思う。
どちらかといえば、日々下らない話しばかりで、何を話したかさえもう記憶にない。
自称ムードメーカー、口を開けば厄介ごとを持ち込む萩原
寡黙そうにみえて案外ノリが良く萩原とバカをやってた松田
それを窘めながらも止めずに笑っていた景光
そんな彼らのイタズラの被害者になる事が多かった伊達
止めるものの、最終的には一緒になって笑っていた自分
駆け抜けた様に余りにも早く過ぎたあの日々は、降谷にとってかけがえのない宝物だ。
「萩原と松田はタイプがどうとか…って話ししてたよな。
まぁ主に萩原だけど。
あいつらのタイプなんて興味ないからなんて言ったのかは覚えてないけど、まさか伊達がハーフ美女を捕まえるとはな…それを知ったらあいつらどんな顔したんだろうな。
想像しただけで面白いな…。
なぁ…伊達は、彼女にどんな告白したんだ?」
答えてくれるはずもないのに、降谷の話しは止まらなかった。
「そういや萩原が当時の彼女にフラれて、傷心パーティーした事もあったな。
覚えてるか?
確かあの時…」
今日はこの後何も予定もない。
思いの限り、彼らに時間を使おう。
今まで出来なかった分まで。
【マーガレット(白):真実の愛】
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虎鉄(プロフ) - 朔夜さん» この話において優しいは最高の褒め言葉です、ありがとうございます涙。まさにその通り、ちょろっとしか知りませんがその方をイメージしております!ほっこりをお届け出来ているなら心底ホッとしました。 (2018年6月30日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - あー、なんて優しい話だー。うっかり某特命係の行きつけを思い出し、かってにリンクさせてホッコリ.....。幸せという花束、ありがとう(^-^) (2018年6月30日 19時) (レス) id: 52c615fe9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 即減速したので大丈夫でした笑。この道路でこの制限速度はちょっと…と思いながらも、車社会なので一発免停に怯える毎日です。ご心配お掛けしてすみません!本当にいつもありがとうございます涙。 (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 頑張ってきた発言にホロリときそうでした…数字に囚われて精神的に更新に追われてた部分があったので、2日休むだけで大分プレッシャーから解き放たれました笑。未だスランプ中ですが汗。警察学校組を下手に書きたくないってのもあるかもしれません… (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - そして覆面Σ( ゚Д゚)!!免停は免れたのでしょうか((( ;゚Д゚)))?気を付けてください(>_<) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3760492a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年6月15日 0時