03話 完食? ページ19
客への気遣いなのか、この店には時計がない。
気がつくと、かなりの時間が経っていた。
「申し訳ない、こんな時間まで…」
「いえ、久々に誰かとお食事出来て楽しかったです。
こちらこそありがとうございました。」
「俺も。」
突然増えた追加の書類整理さえなければもう少し一緒に時間を過ごす事が出来たかもしれない。
けれど、何かが少しでもズレていればこうやって肩を並べて食事を共にする事はなかったかもしれないとも思った。
会計を済ませ、その時が迫る。
降谷は逸る鼓動を抑え、そっとブーケを手に取り再び背中に隠し持つ。
「…?」
てっきりそのまま入り口に向かうかと思われた降谷が、入り口ではなく逆に店内を向いたまま動かない事にAは首を傾げる。
「…これ。」
「…え?」
「Aさんに。」
差し出されたピンク色のブーケ。
「わぁ…可愛い…、ヒヤシンス…。」
初恋に戸惑う学生か、と自嘲もした。
けれど、ブーケを手にしてその花に負けない位の笑顔を見せたAを見て、降谷は心の底から勇気を出して良かったと思った。
その笑顔で
言葉で
たくさんの愛と優しさを料理と花に込めて
たくさんの人間を幸せにする彼女に
せめてもの感謝を
【ヒヤシンス(ピンク):しとやかな可愛らしさ】
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虎鉄(プロフ) - 朔夜さん» この話において優しいは最高の褒め言葉です、ありがとうございます涙。まさにその通り、ちょろっとしか知りませんがその方をイメージしております!ほっこりをお届け出来ているなら心底ホッとしました。 (2018年6月30日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - あー、なんて優しい話だー。うっかり某特命係の行きつけを思い出し、かってにリンクさせてホッコリ.....。幸せという花束、ありがとう(^-^) (2018年6月30日 19時) (レス) id: 52c615fe9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 即減速したので大丈夫でした笑。この道路でこの制限速度はちょっと…と思いながらも、車社会なので一発免停に怯える毎日です。ご心配お掛けしてすみません!本当にいつもありがとうございます涙。 (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 頑張ってきた発言にホロリときそうでした…数字に囚われて精神的に更新に追われてた部分があったので、2日休むだけで大分プレッシャーから解き放たれました笑。未だスランプ中ですが汗。警察学校組を下手に書きたくないってのもあるかもしれません… (2018年6月27日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - そして覆面Σ( ゚Д゚)!!免停は免れたのでしょうか((( ;゚Д゚)))?気を付けてください(>_<) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3760492a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年6月15日 0時