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38.ゆらめく ページ2

「……A、A!」

遠くの方から声が聞こえた。

一緒に聞こえてくるパチパチとなにかが弾けるような音。

朦朧とする頭の中で、目の前の黒い霧は私の目がぼやけているんじゃないとわかると、視界を覆い尽くしている赤、揺らめく赤が炎のだと気づくのにそう時間はかからなかった。


ウッディ「A! 」

貴方「ウッディ…それにボー…?」

そこには心配そうに私の顔を覗き込む二人がいた。

ウッディ「よかった、A、大丈夫か?」

私が頷くと、二人が安心したように胸を撫で下ろしたのがわかった。

貴方「って、ボー!? どうしたのその腕!?」
ボー「ああ、これ? 取れちゃっただけよ、大丈夫」



漠然となにが起こったんだろう、必死に思い返す。

あの時、凄い音がして、吹き飛ばされた…爆発した?でもなにが?

そうだ、それにみんなは?



辺りは火の海だけど、まだそこまで燃え広がってはいないみたいだった。

とは言ってもこの建物自体はすごく古そうで、今も炎は辺りをじわじわと侵食して行ってる


まさか、


ウッディ「大丈夫。大丈夫だA。みんなは外に出た、みんな無事だ。」
ボー「あなたの姿が見当たらなかったから、戻ってきたの。」
貴方「そ、そっか。良かった…ごめんなさい、迷惑掛けて。」
ウッディ「いいや、君が謝る事じゃない。何も心配要らないさ。…さて、とりあえずこいつをどかさなきゃな。」


初めて気づいた、私の足は飲み込まれるように、崩れた何かに埋まっていた。

思うように動かせなかったのは、このせい…?


ウッディ「ボー、君は先に戻ってくれ」
ボー「どうして? …もしかしてまた無茶なことしようと思ってるんじゃないでしょうね?」
ウッディ「そういう事じゃない。みんなもAを心配してただろ、見つけたから、俺が必ず連れて戻ってくるって伝えてくれ。それに…君は陶器だ。」
ボー「…何が言いたいの? 火が危険なのはみんな一緒でしょ。」
ウッディ「そうだけど…君は熱さにも弱い、そうだろ? 君が溶けたら…」
ボー「私は溶けたりしないわ」
ウッディ「ああわかってるさ、だけど…」


今度は頭の飾りだけじゃすまないかもしれないだろ。そうウッディが言うと、ボーは諦めたように首を傾げた。


ボー「そうね、手もどこかに行ってしまったし、私はなにも手伝えなさそうだわ。」


ボーは私を見ると、優しく右手を添えてくれた。


ボー「A、ウッディをよろしくね」


そのまま額にキスをした。

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名無し76354号(プロフ) - トイストーリーの創作が少ない中まさにこれだ!って感じの夢小説で一気読みしてしまいました、これからも頑張って欲しいです!私からのおすすめの小説の書き方なんですが話を1話1話連載するよりも1話で一気にまとめた方がモチベ長持ちしますよ! (10月11日 18時) (レス) @page2 id: 670f6e36b6 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - お話が気になります..待ってます お話が自分の好きなジャンルだったのでお気に入りにしました‼️ (7月18日 14時) (レス) id: 6d75e02af4 (このIDを非表示/違反報告)
夏ミカン(プロフ) - お話の続きが気になりますうううう!めっちゃ好きです…、続き気長に待ってます! (2022年5月20日 23時) (レス) id: d56dd945c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:通行人L | 作成日時:2019年11月11日 21時

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