文字のない愛を。-2- (ページ10)

今日:3 hit、昨日:16 hit、合計:42,939 hit

60 ページ10

・

夏休み

それは、学生にとっては幸せな休みの期間。

夏休み

それは、体育会系部活や受験生にとって追い込みの大切な期間

夏休み

それは、成績が芳しくなかった人が招集され勉強をする期間

いわゆる「補習」

私は、何故か三つ目の枠組みにいて、今日も何故か学校で面白味の無い補習を受けている。

・

こうなるのも、数日前

前期最終日のことだった。

終業式も終わって、やっと来た夏休み！！って感じでもう一目散に教室出てやろうとしてたのにどうしてか担任が何人か教卓の前に集合させて。

もちろん、私もその一人で。

そしたら、

このメンバーは補習の対象者なので、明日から一週間土日以外毎日学校に来るように

と通達されたのである。

いやいやいや、ちょっと待て。

前の私だったら補習とかほんと対象だったかもしんないけど、今期は真面目に受けたからな？！

それにテストだって嫌いにしてはそこそこ良い点取ってたんだぞ？？？え？

健「あ、ここに集めたからと言ってみんな数学の補習ってわけじゃないからね。

それぞれ教科も違うから、プリントでちゃんと目を通して確認してね。

くれぐれも、仮病とか使って学校に来ないっていう選択肢だけはしないように」

中島は淡々とした口調でニコニコしてるけど目の奥が笑ってなくて、少し怒ってんのかなって思った。

一人一人もらったプリントを確認してみると、私のやつにはやっぱりあの教科の名前が記されている。

あーー、サボろうかなぁ

いやサボりたい。ボイコットしたいわ。

もう嫌々感が滲み出ている私を見越したのか、中島はコホンッと咳払いをして言った。

健「サボったりしたら日にちがずれたり、もしかしたら日数が増えるなんてこともあるから早く終わらせたい人はちゃんと毎日来るんだよ」

「「「「はぁーーい」」」」

・

健「はい、じゃあ明日もプリントを元にやります。
今日解けなかったところは明日までに自分なりに回答を書いてきてください」

無機質なチャイムを合図にカバンに荷物を詰めて教室を後にしていく生徒たち

たった一時間がほんと地獄のように感じる。

まだこれで中日なんでしょ？
あと四回もあるんでしょ？

無理無理。早く終わらせたいけどサボりたい。

現実逃避したくて、机に突っ伏した。