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真っ白だった紙も今じゃ中島先生の手書きによって数字や言葉で埋め尽くされている。
健「よって、これが問題の答えな」
「はい、」
健「理解した？」
「はい…」
まともに聞けなかった。
距離が近いのもあって、緊張と胸の高鳴りが収まるわけなくて…ただ彼の言葉に頷いたり、相槌を打ったりするだけだった。
分かんなくなったらまたおいでと差し出された紙を受け取り、鞄からだしたクリアファイルに挟んだ。
健「まだ質問あるの？」
もう終わったはずなのに動かない私に首を傾げる彼は長い脚を組んでこちらを見る。
「いや、…」
健「じゃあもう帰れ。下校時間にもなる」
立ち上がろうとする彼の袖を咄嗟に掴む。
健「なに？」
なんか素っ気ない。
あの修学旅行の時みたいに何処か冷めてる気がする。
「ここにいてよ」
健「悪いけど、まだ仕事あるから」
そう言って私の手を離した彼は自分のデスクに戻り、残っている作業を再開した。
…そう。
そっちがその気なら、こっちだって。
私もソファから離れると、扉の方へ行き
ドアノブを開ける振りをして鍵を閉めた。
態と大きめに閉めたおかげで彼の耳にも届いたのか、目を見開いたまま此方に視線を向けている。
私だって、ただ質問したくて来たんじゃない。
この気持ちをどうしても確かめたくて、
先生への想いが本当に恋なのか知りたいから。
答えはもう殆ど分かってるようなものだけど、先生に言わなきゃ、私がどう思ってるかなんて知ることないでしょ？
再びソファに座って、今度は私が先生を誘うように隣を叩く。
健「どういうつもり？」
「来たら教える」
彼は怪訝そうな顔つきをしながらも、私の意思に従って隣に腰を下ろした。
健「どうぞ？」
「……」
健「来たら教えるって言っただろ」
少し面倒くさそうに頭を掻く彼を横目に、何も言わずただじっとする私
何も言わないのは私の気持ちを固めるため。
一昨日、あの人からもらったアドバイスが有力かどうかまだ曖昧な手段を実行するため。
健「なぁ、無いんだったら早く…っえ、なに？」
素っ頓狂な声が出た先生の膝の上には、跨った私がいる。
冷たそうな表情が一気に焦った顔になり、素を出したようでちょっと面白くて可愛い。
私はそんな彼の顎を持つと、自身の唇を彼の唇に重ねた。
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作者名：ぶぶ | 作成日時：2020年11月14日 5時
