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「どういうことですか？」
△「いや、実は最近、万引きが増えておりまして…。
万引き対策で、店内を巡回させていただいているのですが、…
ちょっとお客様が商品をカバンに入れようとしているのが後ろから見えまして…」
いや、どんな勘違いよ。
とんでもなく謎すぎるわ。
電子マネー探してただけですけども。
100歩譲って脇に留めてた私が悪いのかもしれないけど、
そんな簡単に「万引きしました」とか言わないからな、絶対。
違うともちろん否定をすると、相手は「そんなわけないでしょ」と笑い出す。
いや、今の今まで下手から来てたのに急にタメ口に変わるじゃん。
そんで急に笑うし、なんかニッコニッコしてんの気持ち悪すぎんだけど。
え、何この人…
怖くない？
周りに助けを求めようと見渡してみるけれど、
関わらないようにささっと通り過ぎていく人もいれば、
物珍しそうにこちらを見るが助ける気も無い人もいるし、
そもそも気付かず商品を見ている人もいて。
私を助けてくれる人はいないんだと悟る。
そんなおじさんは私を上から下、下から上と品定めするかのようにじっくりと見つめてくる。
△「それに、君…私服だけど高校生でしょ？」
ギクッ
やば、バレてる。
おっさんのくせに、なんでこんなに勘が鋭いわけ。
「違いますけど」
△「じゃあ、身分証見せてくれる？」
「家に置いてあるので持ってないです」
△「それじゃあ証明のしようがないから疑われても仕方ないよ〜。
まぁ、とりあえず、事務所で話聞くから」
「えっ、ちょっ待って」
おかしい、おかしい
私、何も悪いことしてないのに
勝手に万引き犯扱いされてるんだけど
ていうか、この人
腕めっちゃ引っ張ってくるし！
無駄に力強いじゃんか！！
強引に連れていこうとするおじさんの力に体が支えられず、前の方へ倒れそうになる。
しかし、
後ろから誰かに引っ張られ、前傾姿勢が急スピードで元に戻った。
突然の出来事に驚き、振り向いてみると私と同年代ぐらいの男の人がおじさんを睨みつけている。
△「な、何でしょうか…お客様」
？「この子の腕、離してもらっていいですか」
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作者名：ぶぶ | 作成日時：2020年11月14日 5時
