文字のない愛を。-2- (ページ24)

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部屋の通路をちょっと歩けば大きいダブルベッドと隅っこにちょい広めのソファが置かれていて。

ホテルの名物なのか、透明なガラス張りのバスルームが嫌でも目に入る。

この手、離してくれないかな。

離したら逃げられるかもしれないのに。

そんなことが頭の中でずっとループしている私とは正反対に、

荷物をソファにぶん投げた男は私の腕を掴んだままルームサービスのメニューを手に取った。

◇「あー、どうしよっかなぁ

先にルームサービスとか取っちゃおうか？

Aちゃん、お腹空いてる？」

「はな、して」

◇「だめ。離したら逃げちゃうでしょ」

「っ、逃げないから…ほんとに」

いいよ。

そう言ってあっさりと離れた彼の手

今だっ…！！！

私は自分の荷物をソファから拾い、ドアの方へと駆けていく。

あとはドアを開けるだけ。

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あれ、どうして…？

鍵も開けたはずなのに、ビクともしない。

すると、後ろの方でクスクスと笑い声が響いてゆっくりとこちらに向かって来る足音

◇「ふっふーん。気付いちゃった？

このホテルね、相手の子が勝手に逃げ出さないようにルームキーも入れないと開かない仕組みになってるの。

だから、もう逃げられないよ…Aちゃん？」

なんて卑怯なの。

何処まで歪んでるの、この人は。

あぁ、なんでこんな人と絡んじゃったんだろ

もっと選定すれば良かった。

こういうのを後悔先に立たずって言うんだね。

身を持って知りましたよ。

◇「やっぱりルームサービスは後にしよっか

先に気持ち良くなろうね」

「キモい手で触んないで！」

◇「はい、大人の言うことを聞きましょうね～」

「いやっ、はなしてっ！」

また伸びてきた手を追っ払って部屋の奥に逃げるけど、獣は変わらず追いかけて来て

壁の方まで来ればもちろん男も来るわけで。

嫌々と抵抗する私にはお構いなしに腕を掴めば男は私をベッドへと放り投げた。

ボフッと少し弾んだ体はすぐさま重めの体が乗っかり、組み敷かれてしまう。

「やめて…」

◇「泣きそうな顔してるの可愛い～

Aちゃんはソフトかハードどっちがいい？
女の子だし一応希望は聞かなきゃね」

「どっちもいやっ！！

もう、離してよ！」

◇「じゃあ初めてだしソフトにしよっか♡」

…誰か、

………助けて