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♤「また連絡しますね」
「おやすみなさい」
梅雨らしい季節になった今日の夜も私は相変わらずネオン街に足を踏み入れていた。
あれ目的で。
「はぁー…帰るか」
今日のご飯美味しかったなあ。
和食とか最近摂取してなかったからいつもよりたくさん食べた気がする。
今回の相手は特に何もなく、ただご飯食べて会話してのこちらとしてはアタリだった。
たぶん、相手もただ話をしたかっただけなのかも。逆にそれが有り難かったりする。
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この前みたいなダルマにはもう会いたくないからな。
最近、やたらその人から連絡が来る。
日中から割と遅い時間まで
何してんの？とか会いたいとか
写真送ってとか
こっちは求めてないのに勝手に自撮り送ってきたりとか日常茶飯事で。
あの後さっさと縁切れば良かったのにタイミング見失っていつしようか見計らってる。
じゃないと、逆恨みされることもあるし。
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左手をポッケに入れ、右手でスマホをいじりながらネオン街の端っこを歩いているとブルルとスマホが電話を受信した。
聡「もしもし？」
「なにー？」
電話の相手は最近彼氏(仮)になった幼馴染で、
どうせ課題とかの連絡かなと思いながら応答する。
聡「え、今外にいんの？」
「うん。文房具買いに」
嘘だけど。
さらっと平気で嘘をつく私の心の中、マジでどうなんってんの。
タバコでやられた肺と同じくらい黒そう。
ぱぱ活してることは、聡にも内緒にしている。
話したらきっと縁切られる可能性もあり得るから。
話すつもりもないけど。
こんな私とは反対に、困ったような声で電話口から喋る聡に耳を傾ける。
聡「俺、ルーズリーフ無くなりそうなんだよね」
困った声とか絶対嘘。
パシリに使おうとしてるじゃん。
「ふーん、大変だね」
聡「いやもうちょい興味持ってよ！(笑)
明日返すから買っといてよ、ついでに」
「いつもの？」
聡「分かってくれんじゃん〜」
「後で言われるのがめんどいだけです」
恋人、になったとはいえ、関係はなる前と全く変わってない。
幼馴染のまんま。
電話する頻度もそう多くないし
一緒に出かけることもあんまりないし
これといってあんまり進展してない気がする。
あるとするなら、あの時の手を繋いだ…くらい？
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作者名：ぶぶ | 作成日時：2020年11月14日 5時
