脱力系男子、藤井くん。

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朋「ねぇ なに怒ってんの？」

「知らないっ！」




藤井くんが

あんな奴だなんて思わなかった

朝からわたしは気分が悪い。







『席替えするぞー』

突然の先生の言葉に湧く教室








そして運の悪いことに…








「嘘でしょ…」

朋「藤井くんの前じゃん。」

「朋子変わって！」

朋「なによそんなに嫌？話すチャンスよ。」



どうして今なの…

藤井くんはまた窓際しかも後ろで

その前がわたし。
















プリントを後ろに回す

が、一向に取ってくれないから振り向くと


「寝てる…」


そっと机の端にプリントを置こうとしたとき




のそっと動いた藤井くんが

またガ◯ャピンのような目でわたしを見た。






「げっ」

藤「…」


寝ぼけてる？




「お 置いときますっ」

早口でそう言って前を向こうとしたときに

ボソッと聞こえた少しハスキーな声






"今日は何色？"






まさか 聞き間違い？

びっくりしてバッと振り返れば







藤「…ふ」

「！」


ふにゃっと…いや にやっと笑って

何事もなかったかのように

また腕に顔を埋めて寝た。










…むっかつく

みなさん藤井くんはこういう奴です

そう大声で叫びたくなった。





















朋「ぷ あはは！」

「笑わないでよ！」

朋「いやだって…あははっ」



すぐさま朋子に打ち明けた

"奴の本性"




朋「いやでも安心した。」

「はぁ？」

朋「だって高校生の男子だよ？やっぱりそういうことに興味あり…と。」

「いや笑い事じゃないから！」






この子は親友の心配をしていない

それどころか安心しただなんて。







「…変態よ ただの。」

朋「小瀧みたいだね〜」


ふたりでちらっと藤井くんを見るも

やっぱり寝てる。




















とある授業中

ツンと一 二本の髪が
どうやら引っ張られているような。

気のせい？それとも…




半信半疑で後頭部に手をやると

触れる手。




ハッと振り返ると

藤「あーあ」




机に顎をつけたまま
両手はわたしの髪を触っていたままの状態で



藤「枝毛あったんに。」



まあえっか、
そう言ってパタッと机に突っ伏して寝た。










へ…なんだったの

他人に興味を持たない藤井くんが

小瀧くん以外に話し掛けない藤井くんが









…わたし 余計なことに関わっちゃった？

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