８８.双子の想い ページ42
兄さんの舌と、私のものが絡み合う。
それだけで力が抜けて、何も考えられなくなった。
私と兄さんは双子で、同じ血が巡ってる兄妹だ。
だけど、私は兄さんとの行為が嫌だなんて感じられなかった。
寧ろ―――心の何処かで喜びを感じてしまっているのは、きっと気の所為では無い。
『っ……はぁはぁ』
どれだけ、こうして居ただろうか。
やっと兄さんの唇が離れ、足りなくなった空気を求めて息をする。
「こう言う時は鼻で息するんだぞ、A」
息切れする私を見下ろしながら、優しい口調で告げる兄さん。
先程までの兄さんとは、まるで別人だ。
『兄さん……どうして……』
声にならない声で、小さく問い掛ける。
「そんなの、Aだって分かってるだろ。��愛してる��からだよ、Aの事を誰よりも」
兄さんはスルリと、私の頬を撫でる。
「愛してるから、Aを手放したくない。愛してるから、俺はAとこう言う事がしたい。愛してるから、もっともっとAの事が欲しい。双子だろうが、血の繋がった家族だろうが関係無い。Aは、何があっても俺だけのものだ」
そっと、私の耳元に顔を近付ける兄さん。
「……Aを失って、俺がどれだけ苦しんだか分かるか？突然消えて、何度連絡しても繋がらない、何処に行ったかも分からない。ずっと気が狂いそうだった。お前が居なくなっただけでも耐えられなかったのに、もう２度と俺の前に現れない気がして怖かったんだ。
Aを失うくらいなら、俺は死んだって良い」
私の背に回されている腕に、力が加えられる。
それは、私も同じ気持ちだよ。
私にとって、１番大切なのは兄さんだから。
―――だけど私にとって、サッカーも大切なんだ。
「Aの居場所は、俺だけだ。俺だけが、お前の世界で良い。だから……戻って来い、A」
此処で頷いたら、私も兄さんも楽になる。
でも私は、
そうすればきっと、兄さんと心から向き合える気がしたから。
『私は……まだ、兄さんの元には戻れない。此処で、やりたい事が出来たから』
兄さんは私の言葉に、大きく目を開く。
私が兄さんの言葉に反抗したのは、これが初めてだった。
「何で……だよ」
グッと唇を噛み締めた兄さんは、冷たい目で私を射抜く。
「……なら、力尽くでも取り戻してやる」
再び、噛み付く様なキスが降り落ちた。
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こはね(プロフ) - ほんとに冗談抜きで今までのブルロの作品で1番好きです！笑こんなに私のドストライクの作品に出会えてほんっっとに嬉しいです〜！！ (5月12日 15時) (
レス) id: 1bc7951b1f (このIDを非表示/違反報告)
Banri - poyocooooooさん» コメントありがとうございます！私の作った話をどう評価されるのかいつも気にして投稿しているので、コメントを読ませて頂いてとても自信を持つ事が出来ました！これからもよろしくお願いします！ (4月26日 17時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 玲王との関係が私の妄想（笑）と完全一致で展開されすぎていて最新話を読んで鳥肌がたちました😍毎話ドキドキしながら読ませていただいています！他の方も書かれていますが、ほんとに星を一度しか付けられないのが悔しいですが、何度も押してます！！ (4月26日 5時) (レス) id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - MaOさん» コメントありがとうございます！やっと玲王君との絡みを出せたと安心していたんですけど、早く他のキャラとの話も書きたいとウズウズしています笑。どのキャラとどう関わっていく事になるのか、楽しみに待って頂けたら嬉しいです！ (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - shionさん» コメントありがとうございます！今回の話は悩んで作ったので、喜んで頂けてとてもホッとしています笑。コメントはいつでも受け付けているので、これからも気軽にして頂けると嬉しいです！今後もよろしくお願いします！ (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Banri | 作成日時：2024年2月16日 19時
