７８.裏切り者 ページ32
チームZゴールポスト手前、鰐間兄弟に追い込まれた私達は、必死に守りを固めていた。
何人もの人が集まって、ゴールをさせないようにDFしている。
「決めろ、お兄！」
弟さんが蹴ったボールが、集まっていた人達の元へ飛んで行く。
「届く、久遠！」
「クリア！」
久遠さんの武器であるジャンプ力なら届くと考えた五十嵐君と、成早君が叫ぶ。
それに応える様に飛んだ久遠さんは、足のバネを使って勢い良く飛び跳ねた。
『！？』
明らかに届いていた。
でもヘディングしようとした久遠さんの頭は空を切り、そのままボールはお兄さんの元へと渡る。
そして、あっと言う間にゴールを決められた。
今度こそ、見間違いでは無い。
今の久遠さんは、態とスルーしていた。
あんな絶好のチャンスで、ボールに掠りもしないなんて不自然だ。
私は怪訝な顔付きで、膝を突いて息切れしている久遠さんの元に佇んだ。
『久遠さん……裏切ってるんですか？
否定して欲しい気持ちで、そう尋ねた。
『そんな訳無いじゃないか』、『何言ってるんだよ』、何でも良いから言葉を聞きたかった。
でも―――
「そうでーす」
いきなり両背後から、不気味な声が響いた。
バッと後ろを向くと、心底愉快そうに笑っている鰐間兄弟が私を見下ろしている。
「バレたから、もう良いでしょ久遠ちゃん？」
友達の様な軽いノリで、久遠さんに歩み寄る２人。
「お前らの作戦も、武器も、弱点も、全部筒抜けでしたー。昨日のミーティング中に抜け出して、食堂に居る俺達にこの裏切りを持ち掛けて来たのは、コイツだぜ？」
久遠さんの肩に手を乗せながら言う弟さんの話は、全て耳を疑うものだった。
でも久遠さんは、１つも訂正しようとしない。
彼の無言が、全てを肯定している様に見えた。
「つーことで、この試合頂きます！と、
その言葉に、私達は絶句した。
「テメェ、巫山戯んな！どーゆーつもりだ！？何でこんな事したァ！？あ！？」
ガっと、久遠さんの胸ぐらを掴んだ雷市君が怒号を上げた。
そんな雷市君にも顔色１つ変えず、久遠さんは冷静に言う。
「俺は……
その瞬間、雷市君は拳を振り上げる。
だけど『雷市陣吾、イエローカード』とアナウンスされ、悔しそうに歯を食い縛った。
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Banri - こはねさん» コメントありがとうございます！１番好きだと言って頂けるのは、何よりの励みになります！これからも好きだと言って頂ける様に、更新頑張りますね！今後もよろしくお願いします！ (3時間前) (
レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
こはね(プロフ) - ほんとに冗談抜きで今までのブルロの作品で1番好きです！笑こんなに私のドストライクの作品に出会えてほんっっとに嬉しいです〜！！ (5月12日 15時) (レス) id: 1bc7951b1f (このIDを非表示/違反報告)
Banri - poyocooooooさん» コメントありがとうございます！私の作った話をどう評価されるのかいつも気にして投稿しているので、コメントを読ませて頂いてとても自信を持つ事が出来ました！これからもよろしくお願いします！ (4月26日 17時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 玲王との関係が私の妄想（笑）と完全一致で展開されすぎていて最新話を読んで鳥肌がたちました😍毎話ドキドキしながら読ませていただいています！他の方も書かれていますが、ほんとに星を一度しか付けられないのが悔しいですが、何度も押してます！！ (4月26日 5時) (レス) id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - MaOさん» コメントありがとうございます！やっと玲王君との絡みを出せたと安心していたんですけど、早く他のキャラとの話も書きたいとウズウズしています笑。どのキャラとどう関わっていく事になるのか、楽しみに待って頂けたら嬉しいです！ (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Banri | 作成日時：2024年2月16日 19時
