執着の氷華２【ブルーロック】

７１.順位変動 ページ25

あれから私達は、チームZトレーニングフィールドでひたすら練習に明け暮れていた。
千切君とはあんな事があった後だから、少し気まずい思いはあったけど、お互いにその事については触れないままだった。
練習では主に、P・A内でのシュートの確認であり、交代交代に順番式に行っていた。
こうして考えると、最初の頃と比べてだいぶチーム能力が生まれて来た気がする。


練習を１時間程続けていると、モニターにカップ焼きそばを食べている絵心さんが映し出された。











「やぁやぁ、才能の原石共よ。やっぱ、ソースとマヨネーズって合うー」


ズルズルと、焼きそばを啜っている絵心さん。
『ただいま、第６試合までが終了しました』と告げられたけど、皆はヨダレを垂らしてカップ焼きそばしか目に映っていないみたいだ。


「結果と順位表、はいドーン」

「１勝１敗で、３チームが並んでる！？」


順位表が表示されると、久遠さんが驚きの声を上げる。
チームVだけは変わらず圧倒的１位だけど、他の４チームは団子状態で縺れ合っていた。
すると絵心さんは、『ここで、スパイス……』と付け足す。











「これまでの成績とプレーに応じた、BLランキングのチーム内順位変動を行いまーす」


そう言われた瞬間、左腕に付いている順位がピピピと音を立てて移り変わる。


「より価値の高いゴールを決めた者が上位です。つまり現在のチームZのトップランカーは、お前だ……潔世一」


チーム内のトップである、２６５位は潔君に変わっていた。
潔君は目を丸くして、驚きで固まっている。


『下がってる……』


私の順位は、２６５位から２６６位に下がっていた。
下がってしまったのは悔しいけど、この順位は妥当な判断だろう。











「武器を見つける事がストライカーの第一条件だって言ったけど、見つけるだけじゃ宝の持ち腐れ。次のステップは、その武器を磨いて伸ばせ……突出させろ」


カップ焼きそばをペロリと食べ終えた絵心さんが言う。


「お前らが持ってる武器は、それぞれ違う。だから磨き方も、当然それぞれ違ってくる。メッシの真似をしたって、お前の武器は輝かない。お前だけのプレーを見つけて、突出させろ。才能と言う熱い原石は、磨かなければ自己満足のゴミと化す」


そう告げた絵心さんの姿は消えて、『次の試合まであと２３：５９』とタイムリミットが映される。


『次の試合は、チームWか』


モニターを見た皆は、練習を引き上げようと歩き出した。

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