６４.初勝利 ページ18
「お前は俺に似てる……同じ眼と脳ミソを持ってる……！！だから自分でシュートを撃つより、フィニッシュでここにパスをする……
俺の勝ちだ、二子……お前は、ストライカー失格だ！！」
その言葉に二子君は、初めて表情を崩した。
そんな彼に目もくれず、潔君は後方へと居た私にロングパスを出す。
「ヤバい！カウンター返されっぞ！戻れ！」
叫び声にも近い声を張り上げる大川さん。
チームYが戻って来る前にボールを受け取った私は、加速をつけて相手のゴールエリアを目指した。
だけど、辛うじて残っていたディフェンス２人に妨害されてしまう。
『っ……ごめん、後は任せた！』
流石に、ディフェンス２人に挟まれると身動きが取れない。
斜め右前方に蜂楽君の姿を確認すると、そちらにパスを蹴り上げた。
「承知つかまつった！」
華麗な技でトラップした蜂楽君は、武器であるドリブルを使って何人ものディフェンスを抜いて行った。
誰１人ボールに触らせる事無くゴールエリアまで辿り着くと、ある人物を視界に入れる。
「後は、お願い致しやす」
彼が勢い良く蹴ったボールは、速い上に低かった。
バネを使って我牙丸さんが飛び出したが、それは空振りしてしまう。
蜂楽君がパスを出したのは我牙丸さんじゃなくて、きっと彼だ。
「俺の狙いは……その向こうの、１１番だ」
我牙丸さんの更に後ろから現れたのは、１１番の背番号を背負っている潔君だった。
『何で居るんだ……』と声にならない声を零している大川さん。
誰もが彼の姿に希望、或いは絶望を抱いている事だろう。
『いけ……』
「決めろ……
蜂楽君の言葉に応える様に、潔君は強烈なシュートを放った。
GKは完全に反応が遅れ、ボールはそのままゴールネットへと突き刺さる。
「タイムアップ！！伍号棟第４試合……２ー１で、チームZの勝利！！」
スピーカーから流れてきた勝敗に、私達は一気に盛り上がる。
勝利を噛み締める様に拳を上げ、息も切れ切れの中、全身で歓喜した。
勝ったんだ、本当に私達が。
『潔君？何処に……』
１番喜んでもおかしくない潔君が、フラフラと力無く何処かへと歩き出す。
不思議に思っていると、ある人物の前で足を止めた。
『二子君……』
そこに居たのは、膝を突いて涙を流す二子君。
彼を目にした潔君は、ただ無言のまま彼を見下ろした。
その目には確かな興奮と、快感が渦巻いていた。
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Banri - こはねさん» コメントありがとうございます！１番好きだと言って頂けるのは、何よりの励みになります！これからも好きだと言って頂ける様に、更新頑張りますね！今後もよろしくお願いします！ (6時間前) (
レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
こはね(プロフ) - ほんとに冗談抜きで今までのブルロの作品で1番好きです！笑こんなに私のドストライクの作品に出会えてほんっっとに嬉しいです〜！！ (5月12日 15時) (レス) id: 1bc7951b1f (このIDを非表示/違反報告)
Banri - poyocooooooさん» コメントありがとうございます！私の作った話をどう評価されるのかいつも気にして投稿しているので、コメントを読ませて頂いてとても自信を持つ事が出来ました！これからもよろしくお願いします！ (4月26日 17時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 玲王との関係が私の妄想（笑）と完全一致で展開されすぎていて最新話を読んで鳥肌がたちました😍毎話ドキドキしながら読ませていただいています！他の方も書かれていますが、ほんとに星を一度しか付けられないのが悔しいですが、何度も押してます！！ (4月26日 5時) (レス) id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - MaOさん» コメントありがとうございます！やっと玲王君との絡みを出せたと安心していたんですけど、早く他のキャラとの話も書きたいとウズウズしています笑。どのキャラとどう関わっていく事になるのか、楽しみに待って頂けたら嬉しいです！ (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Banri | 作成日時：2024年2月16日 19時
