６０.本当の心臓 ページ14
後半が再開し、私達は何とか試行錯誤しながらチームYの守りを崩し始めていた。
ボールを奪い、我牙丸さんのバネを生かした武器で得点を決められそうになった事もあった。
そして漸く今、
「何ボケーッとしてんだ、潔！？CKだぞ、ポジション取れ！」
CKの為に私達はバラバラの守備位置についたが、１人だけ何もせずに佇んでいる潔君に雷市君が声を掛ける。
潔君、さっきまで普通だったのに、いきなり何かに驚いた様に後ろを振り返っていたけど、どうしたんだろう。
「何でも良いから、ゴールにねじ込め！」
互いの身体を押し合いながら、ゴール前でひしめき合う。
これは私達に訪れた最初のチャンスだ、何があっても失敗は許されない。
CKキッカーは、蜂楽君だ。
蜂楽君がボールを蹴り上げると、ゴールを決めようとするチームZとブロックしようとするチームYでもがき合う。
だけどその時、たった１人、異質な行動をする人物が居た。
『……潔君？』
潔君が、輪の中から抜け出して後方へと走り出したのだ。
いや、正確には
「おらぁ！貰った！」
ディフェンスを剥がしながら、飛んで来たボールをヘディングしようと雷市君が顔を出す。
だが、彼より早くボールに触れたのはチームYのGKだった。
ボールをパンチングしてブロックしたのだ。
「ヤバい！俺達は攻撃に人数を掛け過ぎてる……！今、大川に繋がれたら……」
久遠さんの言う通り、今の私達はゴール前に人数を集中させていた。
ボールは私達の後方を通り過ぎて行き、誰の手に渡ってもおかしくない。
仮に大川さんの元に繋がれば、確実に２点目を入れられる。
でも、何か違和感がある。
今の大川さんはフリーに近い状態で、1番ボールを取りに行ける立場なのに、一向に動こうとはしない。
まるで、誰かからのパスを待っているかの様に。
『パス……そうか、だから潔君は……！』
潔君が何故、あの人の元に向かったのか分かった気がする。
１点目を決めた時も、大川さんはあの人からパスを貰ってゴールを決めていた。
それだけじゃない、今思い返せば、全てあの人を中心にチームYが成り立っていたのだ。
二子君が落ちてくるボールを取ろうとしたが、寸前の所で潔君が防いだ。
チームYの心臓は、大川さんじゃない。
大川さんにゴールの道筋を作って、明確に提示していた二子君だ。
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こはね(プロフ) - ほんとに冗談抜きで今までのブルロの作品で1番好きです！笑こんなに私のドストライクの作品に出会えてほんっっとに嬉しいです〜！！ (10時間前) (
レス) id: 1bc7951b1f (このIDを非表示/違反報告)
Banri - poyocooooooさん» コメントありがとうございます！私の作った話をどう評価されるのかいつも気にして投稿しているので、コメントを読ませて頂いてとても自信を持つ事が出来ました！これからもよろしくお願いします！ (4月26日 17時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 玲王との関係が私の妄想（笑）と完全一致で展開されすぎていて最新話を読んで鳥肌がたちました😍毎話ドキドキしながら読ませていただいています！他の方も書かれていますが、ほんとに星を一度しか付けられないのが悔しいですが、何度も押してます！！ (4月26日 5時) (レス) id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - MaOさん» コメントありがとうございます！やっと玲王君との絡みを出せたと安心していたんですけど、早く他のキャラとの話も書きたいとウズウズしています笑。どのキャラとどう関わっていく事になるのか、楽しみに待って頂けたら嬉しいです！ (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - shionさん» コメントありがとうございます！今回の話は悩んで作ったので、喜んで頂けてとてもホッとしています笑。コメントはいつでも受け付けているので、これからも気軽にして頂けると嬉しいです！今後もよろしくお願いします！ (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Banri | 作成日時：2024年2月16日 19時
