48.思い出すのは ページ2
「俺の武器は、ドリブル……」
「俺の武器は、華麗なシュートテクニック!座右の銘は、セクシーフットボール!」
「俺は、肉弾戦かな」
「俺は裏への飛び出し!」
「左足のシュート力」
就寝前、布団の上で円を囲むようにして座った私達は、絵心さんが言っていた武器をそれぞれ口にしていた。
皆の武器をノートに書いていた久遠さんが『俺はジャンプ力。Aちゃんは?』と言って、こちらに視線を向ける。
その問いに私は口籠る様に無言になったが、微かに声を零した。
『私は…………………トラップ、かな』
かなり長い間を空けて告げると、潔君が『トラップ?』と意外そうに言った。
「俺は、てっきりドリブルかと……御影さん、凄くドリブル上手かったから」
『ドリブルも得意だけど……1番自信が
一瞬、
視線を逸らしながら、これ以上聞かないで欲しいと言う思いで、『潔君は?』と口だけで問い返す。
「あー……えっと、何だろう?」
「自分の武器も言えない時点で駄目なんだよ、お前は」
潔君は悩む様に唸っていたが、『はい、次!』と雷市君が急かす様に言う。
すると突然、ポスっと自分の膝に何かが降って来た。
『蜂楽君……?』
「ん、ムニャムニャ……」
そこに居たのは、眠りに落ちてしまっている蜂楽君だった。
さっきからずっと眠そうに船を漕いでたから、遂に限界が来てしまったのかもしれない。
他の人達は話に夢中になっていて、今のこの状況に気付いていないみたいだ。
「A、ちゃん……」
寝言、だろうか……。
とても気持ち良さそうな顔をして、私の膝に擦り寄って来る蜂楽君。
不可抗力とは言え、多少の恥ずかしさはあったが、無理やりどかすのも気の毒なので、目が覚ますまではこうして居ようとジッとする。
何気無しに蜂楽君のフワフワの髪の毛を撫でると、蜂楽君は『フフ……』と小さな笑い声を零した。
「……好き……Aちゃん……」
『え?』
起きているのだろうかと蜂楽君の顔を見下ろすが、相変わらず寝息を立てて熟睡している。
頭を撫でていた私の手を掴むと、蜂楽君はそのまま掴んで離さない。
ジワジワと、身体に熱を持ち始めてしまう。
何だかこうしていると、思い出す。
よくあの人にもお願いされて膝を貸していた、それに兄さんも。
――――会いたいな、兄さんと凪君に。
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Banri - こはねさん» コメントありがとうございます!1番好きだと言って頂けるのは、何よりの励みになります!これからも好きだと言って頂ける様に、更新頑張りますね!今後もよろしくお願いします! (60分前) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
こはね(プロフ) - ほんとに冗談抜きで今までのブルロの作品で1番好きです!笑こんなに私のドストライクの作品に出会えてほんっっとに嬉しいです〜!! (5月12日 15時) (レス) id: 1bc7951b1f (このIDを非表示/違反報告)
Banri - poyocooooooさん» コメントありがとうございます!私の作った話をどう評価されるのかいつも気にして投稿しているので、コメントを読ませて頂いてとても自信を持つ事が出来ました!これからもよろしくお願いします! (4月26日 17時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 玲王との関係が私の妄想(笑)と完全一致で展開されすぎていて最新話を読んで鳥肌がたちました😍毎話ドキドキしながら読ませていただいています!他の方も書かれていますが、ほんとに星を一度しか付けられないのが悔しいですが、何度も押してます!! (4月26日 5時) (レス) id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - MaOさん» コメントありがとうございます!やっと玲王君との絡みを出せたと安心していたんですけど、早く他のキャラとの話も書きたいとウズウズしています笑。どのキャラとどう関わっていく事になるのか、楽しみに待って頂けたら嬉しいです! (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Banri | 作成日時:2024年2月16日 19時